クレジットカードの海外事務手数料が軒並み値上げ|2026年最新の各社比較と対策を整理した
海外事務手数料の「3%台」が当たり前になった
2024年後半から2025年にかけて、クレジットカード各社が海外事務手数料(海外事務処理手数料)を一斉に引き上げた。かつては2.20%前後が相場だったが、改定後は3.63%〜3.85%が新しい標準になりつつある。
海外事務手数料とは、海外の加盟店でカード決済した際に、現地通貨を日本円に換算する過程で発生する手数料のこと。VisaやMastercardなどの国際ブランドが設定する為替レートに加え、カード発行会社が独自に上乗せする仕組みになっている。
円安の長期化に加え、国際ブランド側のシステム維持コスト・不正利用対策コストの増加が値上げの背景にある。
主要カード会社の海外事務手数料 改定一覧
| カード会社 | ブランド | 改定前 | 改定後 | 改定時期 |
|---|---|---|---|---|
| 三井住友カード(Visa/Mastercard) | Visa/MC | 2.20% | 3.63% | 2024年11月 |
| 三井住友カード(JCB) | JCB | 2.20% | 2.20%(据え置き) | — |
| 楽天カード | Visa/MC/JCB | 2.20% | 3.63% | 2025年3月 |
| PayPayカード | Visa/MC/JCB | 2.20% | 3.85% | 2025年3月 |
| dカード | Visa/MC | 2.20% | 3.63% | 2025年改定済 |
| エポスカード | Visa | 2.20% | 3.85% | 2025年7月 |
| セゾンカード | Visa/MC/JCB | 2.0〜2.2% | 3.85% | 改定済 |
| オリコカード | Visa/MC/JCB | 1.60〜2.20% | 3.85%(全ブランド統一) | 改定済 |
| ジャックス | Visa/MC | 2.20% | 3.85% | 改定済 |
| イオンカード | Visa/MC/JCB | 1.60% | 1.60%(据え置き) | — |
| JCBカード(自社発行) | JCB | 1.60% | 1.60%(据え置き) | — |
| アメリカン・エキスプレス | Amex | 2.00% | 2.00%(据え置き) | — |
※改定前・改定後の手数料率はいずれも税込。カードの種類によって異なる場合がある。最新の正確な手数料は各カード会社の公式サイトで要確認。
値上げの影響を数字で見る
10万円の海外決済で、手数料がどれだけ変わるか。
| 手数料率 | 10万円の決済時 | 30万円の決済時 |
|---|---|---|
| 1.60%(JCB自社・イオン) | 1,600円 | 4,800円 |
| 2.00%(アメックス) | 2,000円 | 6,000円 |
| 2.20%(改定前の一般的な水準) | 2,200円 | 6,600円 |
| 3.63%(三井住友・楽天等) | 3,630円 | 10,890円 |
| 3.85%(PayPay・エポス等) | 3,850円 | 11,550円 |
改定前の2.20%と改定後の3.85%で比較すると、10万円の決済で1,650円、30万円なら4,950円の差が出る。海外旅行で20〜30万円をカード決済する場合、使うカードによって5,000円近い差が生まれる計算になる。
手数料が低いカードの選択肢
JCBカード自社発行(1.60%)
JCBが直接発行するカード(JCBカード W、JCBカード S、JCBゴールド等)は海外事務手数料1.60%を維持している。ただし注意が必要なのは、JCBブランドでも他社が発行するカード(楽天カードJCB、セゾンカードJCB等)は3.63〜3.85%に改定されている点。「JCBブランド=安い」ではなく、「JCB自社発行=安い」が正確。
イオンカード(1.60%)
Visa・Mastercard・JCBの全ブランドで1.60%を維持している稀有な存在。海外利用の手数料だけを見れば、国際ブランドを問わず最安水準。
アメリカン・エキスプレス(2.00%)
アメックス自社発行カードは2.00%。JCB・イオンの1.60%にはやや劣るが、3%台に上がった他社と比較すれば依然として低い水準。ただしアメックスは海外加盟店の少なさが課題。
Visa/Mastercardで安いカードはほぼ消滅
2024年以前は三井住友カード(2.20%)がVisa/Mastercard系で最安水準だったが、3.63%に改定されたことで、Visa/Mastercard系で2%台以下のカードはイオンカード(1.60%)を除いてほぼ消滅した。
海外利用のカード選び 3つの対策
1. 海外専用のサブカードを持つ
メインカードの海外事務手数料が高い場合、海外用にJCB自社発行カードやイオンカードをサブとして持つ方法がある。JCBカード Wなら年会費無料で海外事務手数料1.60%。ただしJCBは海外(特にヨーロッパ・アメリカ)で使える加盟店が限られる。ハワイ・韓国・台湾など、JCB加盟店が多い地域なら有効。
2. デビットカード・プリペイドカードの活用
Sony Bank WALLETやWise、Revolutなど、海外決済に特化したデビットカード・プリペイドカードは為替手数料がクレジットカードより低い場合がある。外貨建てで口座に保有しておけば為替手数料自体を回避できるサービスもある。
3. ポイント還元率との総合比較
手数料が高くても、ポイント還元で相殺できるケースがある。たとえば楽天カード(3.63%)でも基本還元率1.0%なので、実質的な上乗せコストは2.63%。一方、JCBカード W(1.60%・還元率1.0%)なら実質0.6%。差は約2%。10万円の決済で2,000円の差。頻繁に海外で使うならカードを分ける価値がある。
今後の見通し
海外事務手数料の引き上げは、国際ブランドのコスト構造の変化に起因しているため、一度上がった手数料が元に戻る可能性は低い。むしろ、今は据え置いているイオンカードやJCB自社発行カードも将来的に改定する可能性は否定できない。
現時点で確実に言えるのは、「すべてのカードの海外手数料は同じ」という前提は崩壊したということ。海外で使うカードを意識的に選ぶ時代になっている。
まとめ
2024〜2025年にかけて、三井住友カード・楽天カード・PayPayカード・エポスカードなど主要カード会社が海外事務手数料を3.63〜3.85%に引き上げた。1.60%を維持しているJCB自社発行カード・イオンカードとの差は、10万円の決済で約2,000円。海外旅行や海外通販を頻繁に利用するなら、手数料率を比較してカードを使い分ける戦略が有効になる。
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編集者:ナナ