Bose TV Speaker 第2世代は同梱ケーブルがHDMIに変わった|初代との差分と39,600円を整理した

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画像:ボーズ 製品ページ(2026年9月16日)より

ボーズが「Bose TV Speaker (第2世代)」を発売した。2020年から販売されている初代 Bose TV Speaker の後継にあたる製品で、直販価格は39,600円である。

サウンドバーの新製品としては珍しく、スピーカーの数もチャンネル構成も派手に増えていない。変わったのは、同梱されるケーブルの種類と、公式の技術仕様に書かれるスピーカー構成の表現である。この2点は地味だが、テレビ周りの配線を触る人にとっては影響が大きい。

基本スペック

ボーズ公式の技術仕様と製品比較表をもとに、第2世代と初代を並べる。

項目TV Speaker (第2世代)TV Speaker (初代)
直販価格39,600円33,253円(特別価格表記)
寸法(H×W×D)5.7 × 59.6 × 10.55 cm5.61 × 59.39 × 10.21 cm
質量2.0 kg1.97 kg
製品素材プラスチック(PC-ABS)金属、プラスチック
スピーカー構成左右スピーカー(角度配置)+センターチャンネルツイーター合計3つのスピーカー
同梱ケーブルHDMIケーブル光デジタルケーブル
テレビ接続HDMI ARC / HDMI-CEC / 光デジタルHDMI ARC / HDMI-CEC / 光デジタル
ワイヤレスBluetooth(バージョン表記なし)Bluetooth 4.2(接続範囲 約9m)
マイクなしなし
音声アシスタント非対応非対応

価格差は6,347円だが、初代の33,253円はボーズ公式サイト上で「特別価格」と注記されている値であり、継続的な限定価格販売の結果である点には注意が要る。定価同士の比較ではない。加えて、発売から年数が経っている初代は販売店側の価格が公式直販より下回っていることがあり、実際の価格差は表の数字より開く場合がある。

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同梱ケーブルが光デジタルからHDMIに入れ替わった

第2世代の同梱物は、本体・リモコン(電池装着済み)・HDMIケーブル・電源コード・クイックスタートガイドである。初代の同梱物はHDMIケーブルではなく光デジタルケーブルだった。

つまり、初代をHDMI ARCで接続しようとすると別途HDMIケーブルを用意する必要があり、第2世代では逆に、光デジタル接続を選ぶ場合に別売の光デジタルケーブルが要る。どちらの世代も接続方式そのものはHDMI ARC・HDMI-CEC・光デジタルの3通りに対応しているため、変わったのは「メーカーが標準と想定している接続」の側である。

この入れ替えは、ARC対応テレビが前提になったことの表れと読み取れる。HDMI ARCで繋げばテレビ側のリモコンで音量と電源を操作でき(HDMI-CEC)、専用リモコンを常用しなくて済む。光デジタルは音声を送るだけなので、音量操作はサウンドバー側のリモコンに残る。接続方式の違いが、そのままリモコンの本数に出る。

なお、HDMI 2.2対応ケーブルが国内で初認証されたことが話題になったばかりだが、サウンドバーのARC接続で扱うのは音声のみであり、ケーブルの帯域が問題になる用途ではない。同梱品で足りる。

セリフ専用センターツイーターという構成

第2世代のスピーカー構成は、左右のスピーカーを角度をつけて配置し、加えてセンターチャンネルのツイーターをセリフ専用に割り当てる、と公式に説明されている。初代の公式比較表での記載は「合計3つのスピーカー搭載」であり、センターツイーターという表現は使われていなかった。

セリフを強調する「Dialogue Mode」は初代から搭載されている。初代の公式FAQによれば、視聴中の番組を分析して音声をその他のオーディオから分離し、増幅する機能である。第2世代はこれをソフトウェア側の処理だけでなく、専用ドライバーというハードウェア側の割り当てでも支えている構成と整理できる。

センターチャンネルを物理的に独立させる意味は、音の定位にある。左右2本だけでセリフを鳴らすと、声は左右の中間に「できる」音像になり、視聴位置が中央から外れるほど位置がずれる。中央に専用ドライバーがあれば、セリフは画面中央から出る。ソファの端に座る人が複数いる家庭ほど差が出る部分である。

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初代とどちらを選ぶか

両者は併売されている。判断材料は次のとおり。

状況適する側
テレビがHDMI ARCに対応している第2世代(同梱ケーブルで完結)
古いテレビで光デジタル出力しかない初代(同梱ケーブルで完結)
セリフの定位を重視する第2世代
価格を抑えたい初代
筐体の素材にこだわる初代(金属を含む)

素材の項目は見落としやすい。初代の公式技術仕様は製品素材を「金属, プラスチック」と記載しているのに対し、第2世代は「プラスチック(PC-ABS)」のみである。デザイン面では第2世代が「一段とソフトで丸みのあるエッジ」を採用しているが、グリル部分の質感は世代間で変わっている可能性がある。

寸法は第2世代のほうがわずかに大きい。幅で0.2cm、奥行きで0.34cm、高さで0.09cmの増加である。テレビ台の奥行きがぎりぎりの環境では、10.55cmという数字を先に測っておくほうが確実である。サウンドバー全体の選び方はサウンドバーの選び方に4タイプで整理してある。

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エンジニア視点で見るとどう使えるか

HDMI端子が1つ減る

ARC接続はテレビ側のARC対応端子を1系統占有する。ARC対応端子を1系統しか持たないテレビは珍しくなく、たとえばパナソニックのビエラ S60CはHDMI 2系統のうち1つがARC対応である。ゲーム機とレコーダーを両方繋いでいる環境にサウンドバーを足すと、端子が足りなくなる。事前に背面の表記を確認しておく項目である。

宅内ネットワークに機器が増えない

第2世代はマイクを搭載せず、音声アシスタントにも対応しない。公式FAQでも音声アシスタント対応は「いいえ」と明記されている。Wi-Fiにも繋がらないため、宅内LANに管理対象が1台増えることがない。

これはセキュリティ面では単純な構成である。常時マイクが立っている機器を置かずに済み、ファームウェアの脆弱性がネットワーク経由で突かれる経路もない。一方で、ネットワーク越しの機能追加やソフトウェア更新は期待できない設計ということでもある。スマートスピーカー連携を前提に家じゅうの音を統合したい場合は、上位の Bose Smart Soundbar 以上が対象になる。

リモコンを増やさずに済むか

HDMI-CEC対応により、テレビのリモコンで音量と電源を操作できる。テレビ・レコーダー・サウンドバーでリモコンが3本になる構成を避けられるのは、日常の操作数に効く部分である。Bluetoothで音楽を流す場合のみ、初回のペアリングに付属リモコンが必要になる。

気になる点

Dolby Atmosには対応しない

ボーズ公式の技術仕様で、第2世代のサウンドオプションは「フルレンジスピーカー」と記載されているのみで、Dolby Atmosの記載はない。初代についても公式の製品比較表で Dolby Atmos は「なし」と明示されている。天井方向に音を返すイネーブルドドライバーを持たない構成であり、立体音響を目的に選ぶ製品ではない。一部の販売ページにDolby Atmosを含む表記が見られるが、メーカー公式の仕様に記載がない以上、そちらを基準にするのが安全である。

Bluetoothのバージョンが公表されていない

初代の公式技術仕様には「Bluetoothバージョン 4.2」「接続範囲 約9m」が明記されていたが、第2世代の技術仕様にはワイヤレス接続が「Bluetooth」とあるだけで、バージョンも接続範囲も記載がない。第2世代で新しいバージョンに更新されたのか、初代と同等なのかは公式情報からは確認できない。音楽ストリーミングの安定性を重視する場合、この情報が出るまで判断を保留する選択肢もある。

サブウーファー拡張とマルチルームの扱いが公式に整理されていない

初代は公式FAQで Bass Module 500 / 700 への有線接続と、SimpleSync による他のボーズ機器とのグループ再生が明記されていた。第2世代の製品ページには同等のFAQ項目が見当たらない。拡張前提で導入するなら、購入前にボーズのサポートへ確認したほうが確実である。

壁掛けは別売ブラケットが要る

壁掛けには別売の Bose Soundbar Wall Bracket(5,500円)が必要で、本体価格に加算される。公式は「テレビの下中央の、水平で安定した面」への設置を推奨しており、テレビの上側への設置は推奨されていない。

まとめ

Bose TV Speaker (第2世代) は、スピーカーの本数やチャンネル構成を増やす方向の更新ではない。同梱ケーブルをHDMIに切り替えてARC接続を標準の導線に据え、セリフ専用のセンターツイーターを仕様として明示した、接続と定位の整理が主眼の世代交代と読み取れる。

39,600円という価格は、Dolby Atmos非対応のシンプルな2.1構成としては安くはない。ただし、ネットワークに繋がらずマイクも持たない機器で、ケーブル1本でセットアップが終わり、テレビのリモコン1本に操作が集約されるという構成は、機能を足すより配線を減らしたい環境には噛み合う。天井方向の立体音響やマルチルーム再生を求めるなら、最初から上位機を検討する領域である。

編集者:ナナ

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