ダイソンの新ロボット掃除機は上位機より4.9万円安い|R2 Nurovi Wash+Dryの21,000Paと三角パッドを整理した
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ダイソンが2026年9月4日、ベルリンで開催した「Dyson Unveiled 2026」で新しいロボット掃除機シリーズ「Nurovi」を発表した。日本では3機種のうち「Dyson R2 Nurovi Wash+Dry ロボット掃除機(RB07 WD)」が同日から公式オンラインストアで販売されている。税込145,900円。
注目すべきは価格の置き方である。同社が2026年3月に投入した上位機「Dyson Spot+Scrub Ai(RB05)」は税込194,800円で、吸引仕事率は最大18,000Pa。新しいR2 Nuroviは48,900円安く、それでいて吸引仕事率は21,000Paと上回る。単純な上下関係になっていない構成なので、どこで差がついているのかを公式仕様から整理する。
基本スペック
| 項目 | Dyson R2 Nurovi Wash+Dry(RB07 WD) |
|---|---|
| 価格 | 145,900円(税込・ダイソン公式オンラインストア) |
| 吸引仕事率 | 21,000Pa(強モード) |
| 本体サイズ | 高さ96 × 奥行352 × 幅352mm |
| 本体質量 | 3.5kg |
| ドックサイズ | 高さ516 × 長さ467 × 幅415mm |
| ドック質量 | 9.2kg |
| 集じん容積 | 2.6L |
| 充電時間 | 6.5時間 |
| ナビゲーション | dToF LiDAR、ラインレーザー、エッジセンサー |
| 乗り越え段差 | 最大40mm |
| サイドブラシ | 伸縮式・最大27mm伸長 |
| ドック機能 | 自動ゴミ収集(最大90日分)、75℃温水洗浄、45℃温風乾燥 |
| アプリ | MyDyson |
| 保証 | メーカー保証2年 |
三角ルーロー水拭きパッドが解こうとしている問題
R2 Nuroviの中心にあるのが「三角ルーロー水拭きパッド」である。ルーローの三角形は、幅が一定のまま回転できる定幅図形として知られる。円に近いなめらかな動きを保ちながら、3つの頂点が外側へ張り出す。
一般的なロボット掃除機の円形回転パッドは、部屋の角に対して構造的に接触できない領域が残る。ダイソンはここに定幅図形を持ち込み、パッドが自動で伸長する動きと組み合わせることで、壁際と角への接触面積を増やす設計としている。加えて伸縮式サイドブラシが最大27mm伸びるため、機体が壁に寄り切れない分をブラシ側で補う構造になっている。
吸引側は「Twin-capture システム」と呼ばれる方式で、大きなゴミと微細なホコリを別々の吸引口から捕集する。毛絡み防止ブラシバーが先に大きなゴミを集め、その後段でパワフルな吸引が細かい粒子を捕らえる二段構えである。ピエゾセンサーがゴミの量とサイズを検知して吸引力を自動調整し、超音波センサーが床材を判別してカーペットでは吸引力を高める。
ドックが引き受けている工程
このクラスのロボット掃除機は、本体よりドックの仕事量で差がつく。R2 Nuroviのドックは以下を自動で回す。
- ゴミの吸い上げと収集(8個のサイクロンで分離、ダストビンに最大90日分)
- 水拭きパッドの75℃温水洗浄
- 45℃温風による乾燥
- 給水と充電
水拭き機能付きロボット掃除機で運用上いちばん面倒になりやすいのが、湿ったパッドの放置によるカビとニオイである。洗浄後に温風乾燥まで自動で行う構成は、この手間を運用サイクルから外すための設計と読み取れる。ダストビンの90日という数字はダイソンの社内試験データに基づく値で、公式にも掃除の習慣・使用頻度・ゴミの量・床の表面によって変動すると注記されている。
ドックの設置面積は467 × 415mm、高さ516mm、質量9.2kg。給水と排水を内部で完結させる構造のぶん、一般的な充電スタンドよりかなり大きい。導入前に置き場所を測っておく必要がある寸法である。
上位機 Spot+Scrub Ai(RB05)との棲み分け
| 項目 | R2 Nurovi Wash+Dry(RB07 WD) | Spot+Scrub Ai(RB05) |
|---|---|---|
| 価格(税込) | 145,900円 | 194,800円 |
| 吸引仕事率 | 21,000Pa | 18,000Pa |
| 家具下の進入条件 | 本体高さ96mm | すき間11cm以上 |
| 水拭き方式 | 三角ルーロー水拭きパッド | 常時自動洗浄ウェットローラー |
| 汚れ検知 | ピエゾセンサー・超音波センサー | グリーンLEDとAI搭載HDカメラ |
| 頑固な汚れへの対応 | 温水洗浄と伸長パッドで面を稼ぐ | 同一箇所を最大15回まで往復 |
| センサー数 | 非公開(LiDAR・レーザー・各種センサー) | 本体24個+ドック12個 |
差額48,900円で何が変わるかは、この表の中段に集約される。RB05はグリーンLEDで床を照らし、AI搭載HDカメラで約200種類の家庭内物質を識別したうえで、汚れが落ちるまで最大15回往復する。「見えにくい液体汚れを検知して、落ちるまで粘る」ことに投資したモデルである。
対してR2 Nuroviは、汚れの個別検知ではなく水拭きの到達範囲と衛生維持に投資している。吸引仕事率は21,000Paと高く、本体高さ96mmは家具下の進入条件としても余裕がある。したがって、床に落ちた液体汚れを機械側に判断させる用途ならRB05、家全体を隅まで一定品質で拭かせる用途ならR2 Nurovi、という分岐になると整理できる。
なお比較対象のSpot+Scrub Aiは、Amazon限定モデル「RB05 AM」が流通している。
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導入前に確認しておく条件
購入判断の前に、家側の条件が3つある。
1. 本体高さ96mmが効く場所を持っているか
家具の下に入れるかどうかは、この14mmの差で結果が変わる。ソファやベッドのフレーム下、テレビボードの脚下を実測しておくと、RB05との比較判断が具体的になる。段差の乗り越えは最大40mmなので、部屋の間の敷居も測定対象になる。
2. Wi-Fi環境
MyDysonアプリの利用には、2.4GHzまたは5GHzのWi-Fi接続もしくはモバイルデータ通信と、Bluetooth 4.0対応が必要と公式に記載されている。ドックは水回りから離れた廊下や部屋の隅に置くことが多く、ルーターから遠い位置になりやすい。設置予定地の電波が弱い場合は、ルーターや中継機の構成を先に見直す順序になる(Wi-Fiルーターの選び方 で帯域と設置の考え方を整理している)。
3. マッピングデータの扱い
ダイソンは公式に、処理をロボット内部の安全な処理環境内でのみ行い、クラウドへの依存や本体への画像保存を行わないと明記している。家の間取りは十分に個人情報であり、カメラ・センサーを積んだ家庭内機器を増やすときは、映像やマップがどこに保存されるかが判断材料になる。この観点はネットワークカメラの選び方 と同じ軸で評価できる。
気になる点
Amazonでの取り扱いが未確認である。 2026年9月8日時点で、Amazon.co.jpにRB07 WDの商品ページは見当たらない。現状の入手経路はダイソン公式オンラインストアが中心となる。公式ストアには30日間の全額返金保証があるため、設置してみて置き場所が合わなかった場合の逃げ道は用意されている。
Nuroviシリーズは日本で1機種のみである。 吸引専用の「R1 Nurovi Dry」は公式サイトで「近日公開予定」の表記にとどまり、発売日と価格は未定。AIステインスキャナーとUV機能を積む最上位「R3 Nurovi Spot+Scrub UV」は日本での発売未定と明記されている。水拭き不要でコストを抑えたい場合、現時点で待ちの判断になる。
ドックの物理的な存在感が大きい。 高さ516mm、設置面積467 × 415mm、質量9.2kgは、一般的な空気清浄機に近い体積である。1台で吸引と水拭きを完結させる代償として、ドックの分だけ床が埋まる。
価格の見え方。 145,900円を5年使用と仮定すると1日あたり約80円になる。水拭き工程まで含めて自動化する対価としてこの数字をどう評価するかが、上位機との差額48,900円と並ぶ判断材料になる。
まとめ
R2 Nurovi Wash+Dryは、上位機より約4.9万円安く、吸引仕事率は21,000Paと上回り、本体高さも96mmと低い。安いほうが劣るという構図ではなく、投資先が違うモデルである。
- 床の液体汚れをAIに検知させ、落ちるまで粘らせたい → Spot+Scrub Ai(RB05)
- 家全体を隅まで一定品質で拭かせ、パッドの手入れを自動化したい → R2 Nurovi Wash+Dry(RB07 WD)
導入の可否は、ドックの設置スペース467 × 415mmと、家具下の96mmが確保できるかという物理条件で先に決まる。仕様表を眺める前に、メジャーを持って置き場所を測る順序が現実的である。
編集者:ナナ
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