FiiO QX11は36gのDACアンプでHiFiとゲームを切り替える|ES9069Q×2・4.4mm 800mW・45W給電の仕様を整理した

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FiiO QX11は36gのDACアンプでHiFiとゲームを切り替える|ES9069Q×2・4.4mm 800mW・45W給電の仕様を整理したのアイキャッチ画像
画像:FiiO Japan 製品ページ(2026年10月13日)より

FiiOの「QX11」は、USB DACとヘッドホンアンプを一体にした約36gの小型機である。HiFiモードとゲーミングモードを1台に持たせ、4.4mmバランス出力とUSB-C 2ポート構成を備える点が特徴と整理できる。国内ではエミライが取り扱い、発売日は2026年10月17日(ダークグリーン・ゴールド)、市場予想価格は29,700円前後(税込)、価格はオープンである。

ドングル型の入門機と据置型の中間に位置する構成で、PC・スマートフォン・ゲーム機をつなぐ用途が想定されている。公式ページと取扱元の発表をもとに、仕様・電源の考え方・既存のFiiO機との違いを整理する。

基本スペック

項目FiiO QX11
発売日2026年10月17日(ダークグリーン・ゴールド)。カーボンブラックは発売日・価格とも未定
価格オープン、市場予想価格29,700円前後(税込)
DACESS ES9069Q×2
USBコントローラーSPV5068
オペアンププリ段 TI OPA1692×2/ヘッドホンアンプ段 TI OPA1622×4(並列)
対応レートHiFiモード:PCM 768kHz/32bit・DSD512(ネイティブ)/ゲーミングモード:48kHz/16bit
出力端子3.5mmシングルエンド、4.4mmバランス(3.5mmは同軸S/PDIF出力と共用)
最大出力(32Ω、THD+N<1%)シングル:通常175mW・デスクトップ295mW/バランス:通常360mW・デスクトップ800mW
SN比126dB以上(A-weighted)
入力USB Type-C×2(うち1つは給電専用で、最大45W PD)
サイズ/重量約64×28.8×13mm/約36g
筐体アルミ合金
付属品USB Type-C to Type-Cケーブル、専用レザーケース

出力の数値は32Ωの条件のみが公式ページに記載されており、300Ωなど高インピーダンスの値は確認できない。高感度イヤホン中心か、高インピーダンスのヘッドホンまで含めるかで、必要な情報が公式側で不足する点は把握しておく必要がある。

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HiFiモードとゲーミングモード

QX11は、用途の違う2つのモードを持つ。HiFiモードは音楽再生向けで、PCM 768kHz/32bitとDSD512のネイティブ再生に対応する。1.14インチのLCDにサンプリングレート・ゲイン・フィルターの状態が表示され、音量ステップは60段と120段から選べる。

ゲーミングモードは、再生が48kHz/16bit固定になる。公式ページにはFPS・ACT・MOBA・MUG(リズムゲーム)のジャンル別サウンドプロファイルが記載され、内蔵マイクとAI ENCによる環境ノイズ低減、3.5mm 4極(CTIA)のマイク・リモコン付きヘッドセットへの対応も示されている。

48kHz/16bitという数字は、USBオーディオのクラス仕様に由来する。公式ページでは、UAC1.0(ドライバー不要、48kHz/16bit)とUAC2.0(FiiO USBドライバーが必要、最大768kHz/32bit)の2系統が示されている。HiFiモードの上限を引き出すには、UAC2.0側でFiiO USBドライバーが前提になると整理できる。公式ページはiOS・Android・Windows・Mac・PS5・Nintendo Switchといった個別の対応機器を明記していないため、手持ちの機器での動作条件は購入前に取扱元の情報で確認したい。

設定には「FiiO Control」アプリ(Androidおよびウェブ版)を使う。AUTO EQはウェブ・アプリの両方に対応し、PEQモードは384kHz/24bitまで扱える。ファームウェア更新はOTAとローカルの両方が用意されている。

電源の考え方|2つのUSB-Cとデスクトップモード

QX11のUSB-Cは2ポートで、片方は給電専用の入力となる。公式ページでは、この給電ポートにACアダプター・FiiOのE-STICK・モバイルバッテリーをつなぐと、デスクトップモード(D.MODE)で動作すると記載されている。給電は最大45WのPDに対応し、ポートからスマートフォンやプレーヤー、タブレットを充電することもできる。

デスクトップモードの有無で、最大出力は次のように変わる。

出力端子通常モードデスクトップモード
3.5mmシングルエンド175mW(2.3Vrms)295mW(3Vrms)
4.4mmバランス360mW(3.4Vrms)800mW(5.1Vrms)

バスパワーのみの構成で出力を追い込むのではなく、外部電源を足して出力を引き上げる設計である。デスク環境では、PCのUSB-Aポートとは別にUSB-Cの電源を1本引く運用になり、ケーブルの取り回しが増える代わりに、バランス出力で800mWまで余裕を持たせられる。

内蔵バッテリーの有無と容量は、公式ページに記載がない。携帯用途で単体駆動の時間を重視する場合は、この点が判断材料として不足している。

付属のレザーケースを装着した状態では、E-STICKを接続できないと公式ページに記載されている。持ち歩きはケース、デスクトップモードで据え置く場面はケースなし、という使い分けになる。

KA11・K11との違い

同じFiiOのUSB DACアンプでも、サイズと出力の方向性は大きく違う。USB DAC・ヘッドホンアンプの選び方で整理した2機種と、QX11を比べる。

項目FiiO KA11FiiO QX11FiiO K11
タイプドングル型小型ポータブル据置入門
価格市場予想5,390円前後市場予想29,700円前後市場予想23,650円前後
最大出力(32Ω)200mW(シングル)シングル175〜295mW/バランス360〜800mWシングル520mW以上/バランス1400mW以上
バランス出力なし4.4mmあり
対応レートPCM 384kHz/32bit・DSD256PCM 768kHz/32bit・DSD512PCM 384kHz/32bit・DSD256
重量約8.5g約36g約407g
電源USBバスパワーUSBバスパワー/給電ポート追加12V ACアダプター

QX11の最大出力(バランス800mW)は、据置のK11(バランス1400mW以上)を下回る。一方で、対応レートはQX11が上位で、重量はK11の約1/11にあたる36gである。据置機の出力を求めるか、持ち運べるサイズでPCM 768kHzとDSD512まで扱うかが、選ぶ際の分かれ目になる。

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エンジニア視点で見る接続構成

QX11の接続は、機器側の「USBオーディオクラスの扱い」で挙動が決まる。ドライバー不要のUAC1.0で使えばOSの標準機能で動き、HiFi向けのUAC2.0は専用ドライバーが前提になる。公式ページはOSごとのドライバー要否を明記していないため、手持ちの機器での扱いは取扱元の情報で確認が必要である。

デスクトップモードを使う場合は、USB-Cポートが2つ必要になる。ノートPC1台にドックとモニターをつないだ構成では、ポートの取り合いが起きる。DACの接続側を空いているポートに回すのか、ドック側から給電を分けるのかを、購入前に配置図として整理しておくと判断しやすい。

3.5mm端子が同軸S/PDIF出力と共用になる点も、構成に影響する。4.4mmバランスで鳴らしながら同軸出力でスピーカー側のDACへ流す、といった使い方は、端子の共用によって両立できない。公式ページに記載されているS/PDIF出力は96kHz/24bitである。

気になる点

  • 出力の記載が32Ωのみ:高インピーダンスのヘッドホンで必要な余裕が、公式情報だけでは判断できない
  • 内蔵バッテリーの記載なし:携帯時の駆動時間と、バスパワー動作の条件が公式ページから読み取れない
  • 対応機器の明記なし:PS5・Switch・スマートフォンなどの動作条件が公式ページにない
  • ゲーミングモードは48kHz/16bit:再生は48kHz/16bit固定で、HiFi再生とは用途が分かれる
  • カーボンブラックは未定:発売日・価格が決まっていない
  • 価格はオープン:29,700円前後は市場予想価格で、販売店ごとの実売価格は発売後に変動する

まとめ

FiiO QX11は、約36gの筐体にES9069Q×2・4.4mmバランス出力・PD 45W対応の給電ポートを詰め込み、HiFiとゲーミングの2モードを切り替える小型DACアンプである。ドングル型のKA11より出力と端子が広く、据置のK11より携帯性が高い、という位置づけにまとまる。

選ぶ基準は、①使うヘッドホンが4.4mmバランスと800mW級の出力を必要とするか、②デスクトップモード用にUSB-Cポートを2つ確保できるか、③ゲーム機やスマートフォンでの動作条件を取扱元で確認できているか、の3点である。タイプ別の選び分けはUSB DAC・ヘッドホンアンプの選び方に整理している。

公式情報:FiiO Japan QX11 製品ページ

編集者:ナナ

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