ANAアメックスが9月2日リニューアル|ゴールド42,900円への年会費改定と利用ボーナスマイルを整理した

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アメリカン・エキスプレスと全日本空輸(ANA)は2026年8月19日、両社の提携カードをリニューアルすると発表した。2009年10月の発行開始以来、はじめてとなる全面リニューアルで、全3券種の券面デザインを刷新し、ゴールドとプレミアムの2券種は特典を強化する。新カードの申し込み受付は2026年9月2日13時から始まる。

特典が増える一方で、ゴールドとプレミアムは年会費も引き上げられる。旧年会費で申し込めるのは2026年9月1日までで、既存会員にも2026年11月以降の請求分から新年会費が順次適用される。何がいくら上がり、その対価として何が付くのかを、公式発表の数字だけで整理する。

リニューアルの全体像

対象は3券種だが、変更の中身は券種によって大きく異なる。

券種券面デザイン特典年会費
ANAアメリカン・エキスプレス・カード刷新変更なし変更なし(7,700円)
ANAアメリカン・エキスプレス・ゴールド・カード刷新3項目を追加改定あり
ANAアメリカン・エキスプレス・プレミアム・カード刷新3項目を追加改定あり

一般カードは券面デザインの変更のみで、基本カード・家族カードともに年会費と特典に変更はない。新デザインはANAブランドを象徴する尾翼をモチーフにしたもので、3券種で統一感を持たせた構成になっている。

年会費はいくら上がるか

改定額は申し込み日を境に切り替わる。2026年9月1日までの申し込みが旧年会費、9月2日以降の申し込みが新年会費になる。

カード申込〜2026年9月1日2026年9月2日以降差額
ゴールド 基本カード34,100円42,900円+8,800円
ゴールド 家族カード17,050円21,450円+4,400円
プレミアム 基本カード165,000円187,000円+22,000円

いずれも税込。ゴールドは25.8%、プレミアムは13.3%の値上げにあたる。プレミアムの家族カードは4枚まで無料という構成が従来から続いている。

既存会員も旧年会費のままではない。2026年9月1日までにカードを持っている、または申し込んでいる会員には、2026年11月以降に請求される年会費(2026年11月21日以降の引き落とし分)から順次新年会費が適用される。請求開始月は前回の年会費請求月によって変わり、たとえば前回請求が2025年8月だった場合は2027年8月請求分から、2025年11月だった場合は2026年11月請求分から新年会費になる。ゴールドの家族カードは2026年10月28日までに保有・申し込みの場合、2026年11月以降の請求分からとなる。

追加される3つの特典

ゴールドとプレミアムに共通して3項目が加わる。金額の上限は券種で異なる。

利用ボーナスマイル

年間のカード利用額が条件を超えるとボーナスマイルが付く仕組みで、ゴールドは年間400万円(税込)以上で15,000マイル、プレミアムは年間600万円(税込)以上で30,000マイルが進呈される。集計期間は1月1日から12月31日までで、進呈は翌年3月末まで。

公式が示す獲得例では、ゴールドで年間400万円を利用した場合、通常獲得ポイント40,000ポイント(40,000マイル相当)に利用ボーナスマイル15,000マイルと継続特典2,000マイルが加わり、合計57,000マイルとなる。プレミアムは年間600万円の利用と継続で10万マイル以上が視野に入る。

羽田空港第2ターミナル「POWER LOUNGE PREMIUM」

第2ターミナル国際線の出国エリア3階(保安区域内)にあるラウンジで、料理ブッフェ・フリードリンク・シャワールーム・Wi-Fiを備える。営業時間は6時30分から25時30分。利用回数の制限はなく、同伴者は1名まで無料、2名目以降は1名あたり4,400円(税込)となる。入場時は対象カードと当日の搭乗券またはeチケットの提示が必要で、アプリやDigital Walletでのカード提示では利用できない。

ダイニングキャッシュバック

アメリカン・エキスプレスが運営する予約サービス「ポケットコンシェルジュ」経由の飲食代金に対し、20%がキャッシュバックされる。上限はゴールドが年間最大2万円、プレミアムが年間最大4万円。対象になるのはポケットコンシェルジュ経由で予約かつオンライン決済した場合のみで、予約はポケットコンシェルジュでも店頭で直接決済すると対象外になる。利用にはAmex Offersからの事前登録が必要で、未使用分の翌期間への繰り越しはできない。

なお2026年内は移行期間として枠が縮小される。2026年9月2日以降に申し込んだ場合は2026年9月2日〜12月31日で最大1万円(プレミアムは2万円)、9月1日までに保有・申し込みの場合は2026年10月29日〜12月31日で同額が上限となる。

従来から提供されているプライオリティ・パス(ゴールドは年2回、プレミアムは回数無制限)、ANAでの航空券購入時のマイル付与(ゴールドは100円=3マイル相当、プレミアムは100円=4.5マイル相当)、プレミアムのプレミアム フリー・ステイ・ギフトやANA国内線空港ラウンジ利用は引き続き利用できる。

「ANA SKY コイン獲得プログラム」との入れ替えをどう読むか

今回いちばん性格が変わるのが継続特典まわりである。新設される利用ボーナスマイルは、既存の「ANA SKY コイン獲得プログラム」を置き換えるもので、旧プログラムは2026年12月31日をもって終了する。両者を並べると次のようになる。

ANA SKY コイン獲得プログラム(〜2026年12月)利用ボーナスマイル(2027年〜)
ゴールドの達成条件年間300万円(税込)以上年間400万円(税込)以上
ゴールドの進呈10,000コイン(10,000円分相当)15,000マイル
プレミアムの達成条件年間500万円(税込)以上年間600万円(税込)以上
プレミアムの進呈30,000コイン(30,000円分相当)30,000マイル

ゴールドは達成条件が100万円上がり、進呈物が1万円分のコインから15,000マイルに変わった。ANA SKY コインは1コイン=1円でANAの航空券購入に充当する仕組みのため価値が固定されるのに対し、マイルは特典航空券に交換した場合の価値が路線とシーズンで変動する。国内線の特典航空券では1マイルあたり2円前後になるケースもあり、そこまで引き出せれば15,000マイルは1万円分のコインを上回ると計算できる。一方でANA SKY コインのように「必ず額面どおり使える」性質は失われ、空席状況に左右される交換前提の特典に置き換わったと整理できる。

プレミアムは達成条件が100万円上がり、進呈が30,000コインから30,000マイルへ横並びの数値で移行する。コインを実質1円として使い切れていた利用者にとっては、条件だけが100万円分厳しくなった形になる。

年会費の増額分と条件の変化を並べると、ゴールドは年会費+8,800円かつ達成条件+100万円で、代わりに進呈が実質1万円分から15,000マイルへ、加えてラウンジとダイニングキャッシュバック(年間最大2万円)が付く。ダイニングキャッシュバックの上限まで使い切れる利用者であれば、それだけで増額分を上回る計算になる。ポケットコンシェルジュを日常的に使うかどうかが、この改定の損益分岐点を大きく動かす要素と読み取れる。

ANA関連では、ANAスーパーフライヤーズカードが年間決済300万円で2区分に分かれる改定も別途発表されている。ANAカードは全体として「年間決済額で線を引く」方向に動いていると整理できる。

既存会員はいつから何が変わるか

新特典の適用開始日は、9月1日までの保有・申し込みか、9月2日以降の申し込みかで異なる。

項目2026年9月1日までに保有・申込2026年9月2日以降に申込
利用ボーナスマイル2027年1月1日から(2026年12月31日まではANA SKY コイン獲得プログラム)2026年9月2日から
POWER LOUNGE PREMIUM2026年9月2日から2026年9月2日から
ダイニングキャッシュバック2026年10月29日から2026年9月2日から
新カードデザイン再発行・切替は2026年9月2日13時以降の依頼分、更新カードは有効期限2026年10月の更新カードから2026年9月2日から

既存会員は年会費が2026年11月請求分から順次上がるのに対し、利用ボーナスマイルの適用は2027年1月からとなる。この期間のずれを踏まえ、公式は年会費請求タイミングの1か月前までに切り替えまたは解約手続きを行うよう案内している。券面については、改定前デザインのカードでもPOWER LOUNGE PREMIUMを利用できるとされている。

気になる点

ゴールドの値上げ幅が大きい。 34,100円から42,900円への8,800円増は25.8%にあたり、率で見ればプレミアムの13.3%を上回る。ANA関連の特典を年に数回しか使わない層にとっては、増額分を回収できるかどうかがはっきり分かれる。

利用ボーナスマイルの条件が年間400万円と高い。 月あたり約33万円の決済が必要になる水準で、家計の支払いをまとめても届かないケースは多い。条件に届かない場合、今回の特典強化のうち実質的に効くのはラウンジとダイニングキャッシュバックの2つに絞られる。

ダイニングキャッシュバックは経路が限定される。 ポケットコンシェルジュ経由の予約かつオンライン決済という条件があり、店頭決済は対象外になる。年間最大2万円という枠は大きいが、対象店舗と決済方法の制約を踏まえると、上限まで使い切れる利用者は限られる。

旧年会費での申し込み期限が短い。 発表が8月19日、旧年会費での申込期限が9月1日で、判断できる期間は2週間ほどしかない。なお9月1日までに申し込んだ場合も、2026年11月以降の請求から新年会費に移行する点は同じで、旧年会費が固定されるわけではない。

まとめ

今回の改定は、ゴールドとプレミアムを「年間の決済額が大きい利用者ほど得をする設計」に寄せる内容と整理できる。年会費はゴールドが8,800円、プレミアムが22,000円上がり、代わりに利用ボーナスマイル・羽田のラウンジ・ダイニングキャッシュバックの3つが加わる。

判断の軸は2つに絞られる。ひとつは年間決済額が400万円(プレミアムは600万円)に届くか。もうひとつはポケットコンシェルジュ経由の食事に年間10万円(プレミアムは20万円)以上を使うか。どちらにも当てはまらない場合、増える年会費に対して残るのはラウンジ1つになる。一般カードは年会費・特典ともに据え置きのため、ANAマイルを貯める入口としての位置づけは変わらない。

なおアメリカン・エキスプレスは2026年7月にもプラチナ・カードの特典を改定しており、年会費据え置きで旅行保険の自動付帯を終了しダイニング特典を50%へ引き上げる構成に変更している。決済額と利用シーンで還元の濃淡をつける方向は、提携カードにも共通していると読み取れる。

公式リンク

編集者:ナナ