エプソンPX-M731Fは25,190円のFAX複合機で何を変えたか|PX-M730Fとの仕様差と、設置寸法・印刷コストを整理した

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エプソンPX-M731Fは25,190円のFAX複合機で何を変えたか|PX-M730Fとの仕様差と、設置寸法・印刷コストを整理したのアイキャッチ画像
画像:エプソン PX-M731F 製品情報(2026年10月2日)より

エプソンは、A4カラーインクジェット複合機「PX-M731F」を2026年10月29日に発売する予定である。プリント・コピー・スキャン・ファクスを1台にまとめたビジネス向けモデルで、価格はオープン、エプソンダイレクトショップの販売価格は税込25,190円(2026年10月1日現在)と公式ページに示されている。

前モデルにあたる PX-M730F との間では、耐久枚数が8万ページから10万ページに、タッチパネルが2.7型から4.3型に変わった。一方で、設置に必要な奥行きと質量は増えている。この記事では、公式の製品ページと仕様ページで確認できる数値を並べ、何が上がり、何が増えたのかを整理する。

なお、本記事は発売前(2026年10月2日時点)の公式情報に基づく。発売日は「予定」とされており、変更の可能性がある。家庭向けのプリンター全体の選び方は プリンターの選び方 にまとめている。

PX-M731Fの基本スペック

公式の製品ページ・仕様ページで確認できる主な項目は次のとおり。

項目PX-M731F
発売日2026年10月29日(予定)
価格オープン(直販 25,190円・税込、2026年10月1日現在)
機能プリント/コピー/スキャン/ファクス
印刷方式PrecisionCore インクジェット、4色独立インク(顔料)
印刷速度(A4)モノクロ25ipm/カラー12ipm
印刷コスト(A4文書)モノクロ約4.4円/カラー約11.7円(税込)
耐久枚数10万ページまたは5年(早く達した方)
操作パネル4.3型タッチパネル(静電式)
給紙用紙カセット 250枚
ADF35枚、A4/A5/リーガル/レター
接続USB、有線LAN(100BASE-TX)、無線LAN(Wi-Fi 5 対応)
大きさ(幅×奥行×高さ)使用時 425×503×277mm/収納時 425×388×277mm
質量約10.5kg(消耗品含む)

ipm は1分あたりに印刷できる面数で、公式ページには最速値としてカラー22枚/分、モノクロ36枚/分も併記されている。カタログ上の「25ipm」と「36枚/分」は測定条件が異なる別の指標である。

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PX-M730Fから変わった点、増えた点

PX-M730F の公式仕様ページと並べると、差分は次のように整理できる。

項目PX-M731FPX-M730F
耐久枚数10万ページまたは5年8万ページまたは5年
操作パネル4.3型タッチパネル2.7型
連続印刷(カラー/モノクロ)12ipm/25ipm約11ipm/約21ipm
最速(カラー/モノクロ)22枚/分・36枚/分約21枚/分・約35枚/分
両面印刷(カラー/モノクロ)9.0ipm/16ipm約7.0ipm/約12ipm
ファーストプリント(カラー/モノクロ)8.5秒/5.5秒約9.3秒/約6.3秒
コピー速度(カラー/モノクロ)10ipm/22ipm9.0ipm/20.5ipm
最高解像度4,800×1,200dpi4,800×2,400dpi
写真用紙の給紙枚数最大50枚最大20枚
TEC値(消費電力量)0.12kWh0.17kWh
スリープ時消費電力約0.7W約1.2W
ウォームアップ12.5秒以下10.7秒以下
使用時の奥行き503mm494mm
高さ277mm249mm
質量約10.5kg約8.9kg

読み取れる傾向は3点ある。

  1. 速度・耐久・省電力は全体に底上げされている。両面印刷はモノクロで12ipmから16ipm、カラーで7.0ipmから9.0ipmへと、差が比較的大きい項目である
  2. 最高解像度とウォームアップ時間は数値上は後退している。最高解像度は4,800×2,400dpiから4,800×1,200dpiに、ウォームアップは10.7秒以下から12.5秒以下になっている。普通紙の文書印刷では公式特長ページに600dpiの高解像度印刷と記載があるため、この差が文書用途で効くかどうかは公式情報だけでは判断できない
  3. 本体は一回り大きく重くなっている。奥行き9mm、高さ28mm、質量1.6kgの増加で、設置場所の寸法確認が必要になる

使用時の奥行き503mmは、手前に用紙トレイや排紙を出した状態の最大寸法である。棚やカウンターに置く場合は、幅425mmに加えて、奥行きと高さ277mmの余裕を見ておく必要がある。

印刷コストの算出例

公式の印刷コストはA4文書でモノクロ約4.4円、カラー約11.7円(税込、算出条件は公式ページの注記による)とされている。この値を使い、年間の印刷枚数からインクコストを試算すると次のようになる。

年間インクコスト = モノクロ枚数 × 4.4円 + カラー枚数 × 11.7円

年間でモノクロ3,000枚・カラー600枚を印刷する場合は、13,200円+7,020円=20,220円となる。直販価格25,190円の本体と合わせると、1年目の合計は約45,410円という計算である。

耐久枚数は「10万ページまたは5年のいずれか早い方」で定義されている。年間3,600枚のペースでは枚数側に達するまで約28年かかるため、このペースでは5年側が先に来る。逆に年間2万ページ以上を刷る使い方では、5年を待たず枚数側が先に到達する。

ファクス機能の仕様と接続条件

ファクスは、スーパーG3(最大33.6kbps)に対応し、モノクロ標準モードの電送時間は約3秒(ITU-T標準原稿、SUPER G3送信時)と示されている。受信は停電時も保持され、最大180ページまたは100件を保存できる。アドレス帳は100件、グループダイヤルは99件まで登録できる。

誤送信防止、誤接続防止、印刷物の放置防止などを含む FASEC1 対応も公式特長ページに記載されている。受信データを自動で印刷せず、パネルで確認してから印刷する設定にすると、迷惑ファクスの紙の浪費を抑えられる。

接続条件には注意が必要である。公式仕様ページの注記では、適用回線は一般加入電話回線(PSTN)と自営構内回線(PBX)で、次の環境では使えないことがあるとされている。

  • ドアホン、ビジネスホン
  • ADSLや光ファイバーなどのIP電話回線
  • ISDN回線
  • 加入電話回線との間にターミナルアダプター、スプリッター、ADSLルーターなどを接続した場合

光回線の電話サービスを使っている事務所や店舗では、導入前に回線の種類を確認する工程が入る。この条件は PX-M730F の特長ページにも同様の注意書きがあり、新モデルで緩和されたかどうかは公式に示されていない。

スキャンとネットワーク

ADFは35枚まで搭載でき、スキャン速度はモノクロ12ipm、カラー8.0ipm(A4)で、PX-M730F と同じ値である。原稿は64〜95g/m²のA4/A5/リーガル/レターに対応する。スキャンデータの送信先として、メール、フォルダー(SMB、FTP)、クラウドの機能が公式特長ページに挙げられている。対応クラウドはEvernote、Google Drive、Dropbox、Box、OneDrive、SharePoint Online である。

無線LANは IEEE802.11 a/b/g/n/ac(Wi-Fi 5)で、有線LANとの同時使用はできない。仕様ページに Wi-Fi 6 以降の記載はないため、無線LAN機器が Wi-Fi 6/7 対応でも、プリンターとの接続は Wi-Fi 5 の規格内になる。

比較:PX-M731Fが向く用途、PX-M730Fで足りる用途

状況向く機種理由
設置場所の奥行きが500mm未満に限られるPX-M730F使用時の奥行きが494mmで、PX-M731Fより9mm短い
写真用紙を一度に多く給紙するPX-M731F写真用紙の給紙枚数が最大20枚から50枚に増えた
年間の印刷枚数が多いPX-M731F耐久枚数10万ページ、両面印刷の速度向上
操作性を重視するPX-M731F2.7型から4.3型の静電式タッチパネル
本体価格を抑えたいPX-M730FPX-M731Fの直販価格は25,190円(税込)に対し、PX-M730FのAmazon掲載価格は17,800円(2026年10月2日時点)。販売チャネルが異なるため単純比較はできない

PX-M730F は Amazon.co.jp に商品ページがある。サイズ、質量、価格の確認用として、現行品を参照できる。

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気になる点

発売前の情報である。 発売日は予定、販売価格は直販サイトの値で、販売店ごとの価格は拘束されないと公式ページに明記されている。実売価格は発売後に確認する必要がある。

最高解像度とウォームアップ時間は数値が後退している。 文書中心のビジネス用途では影響が小さい可能性があるが、写真の印刷品質を重視する用途では、公式の仕様だけで優劣を判断できない。

FAXは回線の種類に依存する。 IP電話、ISDN、ADSL、ターミナルアダプター経由の接続など、使えない条件が複数ある。導入前に回線の構成を確認することが前提になる。

本体が大きく重くなっている。 質量は約10.5kgで、PX-M730F の約8.9kgより1.6kg重い。設置場所を変える頻度が高い用途では、取り回しの差になる。

まとめ

PX-M731F は、PX-M730F の速度・耐久・省電力を底上げしつつ、パネルを4.3型に大型化した複合機である。一方、奥行き・高さ・質量が増え、最高解像度とウォームアップ時間は数値上は後退している。

整理すると、次の3点が判断材料になる。

  • 年間の印刷枚数が多い、または操作性を重視するなら PX-M731F の差分が効く
  • 設置場所の奥行きが500mm未満なら PX-M730F の寸法の方が収まる
  • FAXを使う場合は、回線がPSTNかどうかの確認が先に必要

プリンターのタイプ別の整理は プリンターの選び方、スキャナー単体の選択肢は ドキュメントスキャナーの選び方 で扱っている。

公式情報:エプソン PX-M731F 製品情報 / 仕様 / 特長 / PX-M730F 仕様

編集者:ナナ

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