スマートリモコンの選び方|赤外線特化・ハブ兼用・センサー内蔵・画面操作の4タイプで整理した

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エアコン・テレビ・照明をスマホや音声で操作する「スマートリモコン」は、5,000円を切る機種から17,000円近い機種まで価格差が3倍以上ある。ただしその差は赤外線を飛ばす性能ではない。各社の対応リモコン数は数万件規模で出そろっており、手持ちのエアコンが登録できるかという点ではどの機種を選んでも結果はほぼ変わらない。

価格差を作っているのは、センサーを何個積んでいるか、そのメーカーの他のデバイス(鍵・カーテン・センサー類)を中継する役目を負うか、本体だけで操作を完結できるか、の3点である。ここを整理しないまま「高いほうが安心」で選ぶと、使わないセンサーに1万円払うか、後から中継役が足りず2台目を買うことになる。

スマートリモコンで価格差を生む4つの要素

要素何が変わるか価格への影響
赤外線データベース手持ちの家電が登録できるか。各社とも数万件規模で、差は小さいほぼなし
センサー(温湿度・照度・人感)「28℃を超えたらエアコンON」のような自動化が本体だけで組めるか大きい
ハブ機能同じメーカーの鍵・カーテン・センサーを外出先から動かせるか中程度
本体UIスマホを出さずに本体で操作できるか大きい

赤外線データベースについては、SwitchBotが公式サイトで約101,000件以上のリモコンを収録していると公表し、Nature Remo nanoは14,000機種以上、TP-LinkのTapo H110は18種類の家電・8,000以上のブランドに対応するとしている。数え方の単位が各社で異なるため単純比較はできないが、国内で流通している主要メーカーのエアコン・テレビであれば、いずれの機種でも登録できると整理してよい。

つまり選ぶ基準は「どの家電を操作できるか」ではなく「何を自動化したいか」と「他に何を繋ぐか」になる。

4タイプの位置づけ

タイプ代表機種公式価格(税込)センサー特徴
赤外線特化型Tapo H110 / Nature Remo nano3,980円前後 / 4,980円なし赤外線を飛ばす機能に絞った最小構成
自社デバイス中継型SwitchBot ハブミニ(Matter対応)5,980円なし(別売センサー接続可)同社のBluetooth機器をMatterへ橋渡し
センサー内蔵型SwitchBot ハブ2 / Nature Remo 39,980円 / 9,980円温湿度・照度ほか室温・湿度を条件にした自動化が組める
画面操作型SwitchBot ハブ316,980円温湿度・照度・人感2.4インチ画面とダイヤルで本体操作
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タイプ1:赤外線特化型|まず1台目に置く構成

センサーを持たず、赤外線の送信とアプリ・音声アシスタント連携に機能を絞った構成である。Tapo H110は市場想定価格3,980円(税込)で2024年11月に発売され、Matterに対応する。Apple Home・Google Home・Amazon Alexa・SmartThingsのいずれからも赤外線家電を操作でき、93dBのチャイムを内蔵する。

Nature Remo nanoは公式ストア価格4,980円(税込)で、2023年7月発売のMatter対応モデルである。Matter経由で使う場合はiOS 15.0以降またはAndroid 8.0以降が必要と公式が明記している。

このタイプで組めるのは「時刻でエアコンをON」「帰宅前にスマホから暖房を入れる」までで、室温を条件にした自動化はできない。ただし温湿度計を別途追加すれば同等の条件分岐は作れるため、先に本体を入れて後からセンサーを足す順序も成立する。

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タイプ2:自社デバイス中継型|鍵やカーテンを先に入れている場合

SwitchBotのロック・カーテン・開閉センサーといったBluetooth機器は、単体では宅内のスマホからしか操作できない。これらを外出先から動かす、あるいはMatter対応のスマートホームアプリに登録するには、同社のハブが中継役として要る。ハブミニ(Matter対応)は公式価格5,980円(税込)で、この中継役を最も安く用意する選択肢になる。

SwitchBot ロックUltraの記事で触れたとおり、スマートロックは本体だけでは遠隔解錠が成立しない。スマートロックの選び方で整理したハブ・認証パッドの追加費用と合わせて、総額で見積もる必要がある。

注意すべきは、この中継役がメーカーをまたがない点である。SwitchBotのハブはTapoのセンサーを中継せず、その逆も同じである。Matter対応はハブが束ねた結果を外に出すための規格であって、異なるメーカーのBluetooth機器を1台のハブに集約できるという意味ではない。

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タイプ3:センサー内蔵型|室温を条件に自動化する

SwitchBot ハブ2は公式価格9,980円(税込)で温湿度センサーと照度センサーを内蔵し、温湿度計の代わりとしても使える。Nature Remo 3は同じく9,980円(税込)で、温度・湿度・照度・人感の4センサーを搭載する。

価格が同じで搭載センサー数が違うように見えるが、この差がそのまま優劣にはならない。人感センサーは本体の設置場所でしか人を検知できず、リビングのテレビ台に置いた場合に検知できるのはテレビ前の人だけである。部屋全体の在室判定を求めるなら、本体内蔵ではなく設置場所を選べる別体の人感センサーのほうが条件に合う。

このタイプの価値は、室温や湿度を条件にした分岐を追加費用なしで組める点にある。「湿度が40%を下回ったら加湿器をON」「外出時に室温が30℃を超えたらエアコンを入れる」といった動作は、加湿器の選び方で触れた気化式のように運転音の小さい機種と組み合わせると効きやすい。

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タイプ4:画面操作型|スマホを出さずに完結させる

SwitchBot ハブ3は公式価格16,980円(税込)で、2.4インチのモニターと独自設計のダイヤルを備える。ダイヤルを回してエアコンの温度を1℃刻みで変えたり、チャンネルを切り替えたりといった操作が本体で完結する。温湿度センサーに加え、照度センサーと人感センサーを内蔵し、留守を検知して家電をまとめてOFFにする動作も組める。Matterブリッジとしても機能し、他社のMatterデバイスをハブ3本体から操作できる。

価格はタイプ1の4倍以上になるが、評価すべきは「スマホを開かずに操作できる価値をどう見るか」である。スマートリモコン導入後の不満として多いのは、リモコンを探す手間がスマホのロック解除とアプリ起動に置き換わっただけという状態である。壁際に本体を置いて直接触れる構成は、この状態を避けるための投資として整理できる。

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設置場所と回線で先に確認しておくこと

スマートリモコンは赤外線を飛ばす機器である以上、設置位置の制約が大きい。

  • 赤外線は壁を回り込まない:本体と家電の間に遮蔽物があると届かない。エアコンが部屋の上部にある場合、本体を低い位置に置くと反射頼みになる
  • Wi-Fiは2.4GHz帯が前提:SwitchBot・Nature・Tapoのいずれも2.4GHz帯での接続を想定している。5GHz帯しか飛ばさない設定のルーターでは接続できないため、Wi-Fiルーターの選び方で触れたバンドステアリングの挙動を確認しておく
  • ハブ機能を使うなら置き場所が二重に縛られる:赤外線が届く位置と、Bluetooth機器(鍵・カーテン)が届く位置の両方を満たす必要がある。玄関の鍵とリビングのエアコンが離れている間取りでは、ハブを2台に分ける構成も検討対象になる
  • 電源はUSB給電:コンセントの空きと、本体を置く高さにケーブルが届くかを先に見ておく

クラウドが落ちたときに何が止まるか

スマートリモコンは常時インターネットに接続する機器であり、メーカー側のサーバーが停止した場合の挙動は機種によって異なる。ここは公式仕様として明記されている範囲で確認できる。

TP-LinkはTapo H110について、外部ネットワークの接続が途切れても同一LAN内のデバイスは制御できると公式に記載している。SwitchBotのハブ製品はMatter経由で接続した場合、Apple HomeやGoogle Homeなどのプラットフォーム側からローカルで操作する経路が残る。一方、各社アプリからの外出先操作はいずれもクラウドを経由するため、サーバー障害時には遠隔操作が止まる。

実用上の判断としては、家電の物理リモコンを捨てないことに尽きる。スマートリモコンは既存の赤外線リモコンを置き換えるのではなく、並行して動く操作経路を1本増やす機器である。既存リモコンを処分してしまうと、通信障害時に手動操作の手段がなくなる。

もう1点、公式に確認しておきたいのがセンサーデータの扱いである。温湿度や人感の記録は各社のクラウドに蓄積される。在室・不在の履歴は生活パターンそのものであるため、アカウントに二段階認証を設定しているかは導入時点で確認しておく価値がある。

気になる点

  • エアコンの状態が本体側とずれる:赤外線は一方向の送信であり、家電の現在の状態を読み取る仕組みはない。物理リモコンで操作した内容はアプリに反映されず、表示と実態がずれる。この挙動は全機種に共通する
  • 「Matter対応」の意味が機種で異なる:赤外線家電をMatterに出せる機種、自社Bluetooth機器をMatterに出せる機種、その両方に対応する機種がある。対応の有無ではなく、何をMatterに出せるかを公式ページで確認する必要がある
  • センサー内蔵型は置き場所で精度が変わる:本体は発熱するため、内蔵温度センサーの値は独立した温湿度計より高く出る傾向がある。エアコンの吹き出し口の近くや直射日光の当たる位置は避ける
  • 価格改定が起きやすいカテゴリ:Nature Remo nanoは2024年10月に販売価格が改定されている。購入前に公式ストアの現在価格を確認する

まとめ

スマートリモコンは、赤外線の対応範囲ではなく「センサーで何を自動化するか」と「同じメーカーの何を繋ぐか」で決まる。

  • とりあえずエアコンとテレビをスマホと音声で動かしたい → 赤外線特化型(Tapo H110 / Nature Remo nano、4,000〜5,000円)
  • SwitchBotの鍵やカーテンを既に使っている、または今後入れる → 自社デバイス中継型(ハブミニ Matter対応、5,980円)
  • 室温・湿度を条件にした自動化を本体だけで組みたい → センサー内蔵型(ハブ2 / Nature Remo 3、9,980円)
  • スマホを開かずに本体で操作を完結させたい → 画面操作型(ハブ3、16,980円)

センサーの有無は後から温湿度計を足しても埋められるが、ハブ機能の対応範囲は後から変えられない。鍵やカーテンをスマート化する予定があるなら、その系列のハブを先に選んでおくほうが総額は安く収まる。

編集者:ナナ

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