SwitchBot リレースイッチ1は壁の中に入るスマート化|中性線必須と電気工事士資格の条件を整理した

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画像:SwitchBot 公式製品ページ(2026年9月15日)より

家電をスマート化する製品の多くは、既存の機器に「後から足す」形を取る。コンセントとプラグの間に挟むスマートプラグ、物理ボタンの上に貼り付ける指ロボット、赤外線を飛ばすスマートリモコン。いずれも工事が要らない代わりに、機器が増え、見た目に何かが残る。

SwitchBot リレースイッチ1は、そのどれとも違う方向に振った製品である。42 x 36 x 16mm の本体をスイッチボックスの中に埋め込み、既存の配線に割り込ませる。壁の表側には何も増えず、既存の壁スイッチもそのまま残る。代わりに、設置には電気工事士の資格が必要になる。

公式サイトでの販売価格は5,480円(税込)。届いてすぐ取り付けられる性質の製品ではないため、購入前に条件を確認しておく意味が大きい。

基本スペック

項目SwitchBot リレースイッチ1
価格(公式)5,480円(税込)
本体サイズ42 x 36 x 16±0.5mm
本体重量27g
設置方法埋め込み式
電源(AC)100〜240V 50/60Hz
電源(DC)12V / 24〜48V
最大出力電流AC 6A / DC 6A
接続方式無線LAN + BLE
Wi-Fi 到達距離屋内30m/屋外50m
Bluetooth 到達距離屋内10m/屋外30m
消費電力ON状態で1.2W未満
認証PSE、TELEC
材質プラスチック、PC樹脂
保証1年

搭載チップは ESP32。スマートホーム機器では定番のWi-Fi+Bluetooth統合SoCで、SwitchBotは「通信性能とデータ処理性能に優れる」と説明している。

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「中性線が必要」は何を意味するか

公式のよくある質問には、取り付けと動作の両方に中性線が必要と明記されている。ここがこの製品の最大の前提条件になる。

日本の住宅で一般的な片切スイッチの配線は、照明までの電路をスイッチで切る構造になっており、スイッチボックスに来ているのは電源線と照明への戻り線の2本だけ、というケースがある。中性線(N)がボックスまで来ていないと、リレースイッチ1は自身の動作電源を取れない。本体の端子面には L と N が独立して並んでおり、この2本が揃うことが前提の設計であることが見てとれる。

つまり、購入判断の順序は「機能を見て決める」ではなく「自宅の配線を確認してから決める」になる。そして配線の確認そのものが、スイッチプレートを外して内部を見る作業を含む。公式は設置について「必ず専門の業者、または有資格者に施工をご依頼ください」と案内しており、確認と施工をまとめて依頼するのが前提の製品と読み取れる。

もう一つの上限が電流値である。AC・DCとも最大出力電流は6A。本体表面には AC 6A/240V、DC 6A/30V と刻印されている。100V換算では600W相当で、LED照明やダウンライトの回路であれば余裕があるが、エアコンや電気ストーブのような高負荷機器を想定した製品ではない。さらに過負荷保護装置は非対応と仕様に明記されているため、上限管理は設計側ではなく施工側の責任になる。

4つのスイッチモードの意味

この製品が単なるON/OFFリレーに留まらない理由が、モード切換の存在である。公式は4種類を挙げている。

モード対応する既存スイッチ用途
トグルスイッチ一般的な壁の照明スイッチONとOFFを切り替える通常の片切スイッチ
押しボタンスイッチ呼び鈴、インターホン押している間だけONになるスプリング式
独立スイッチ天井のスマート照明など他の回路に影響を与えず、常時給電が要る機器向け
エッジスイッチー押すたびに状態が反転する。直前の状態に依存しない

「独立スイッチ」が用意されている点は、スマート照明との組み合わせを想定した設計として整理できる。スマートシーリングライトは壁スイッチで電源を切られるとネットワークから消えるため、壁スイッチ側を常時ONにしたうえで、リレースイッチ1を別系統の制御として噛ませる構成が取れる。

ドライ接点としての利用も公式に説明がある。それ自体は電源を持たない接点として動作し、ガレージドアやドアベルのような低電力トリガーを遠隔で作動させられる、という位置づけである。

壁スイッチをスマート化する3つの方法

同じ「照明をスマホや音声で操作したい」という目的に対して、SwitchBot は方式の異なる3製品を並行して出している。価格と条件を並べると、選択は好みではなく住環境で決まることがわかる。

リレースイッチ1ボットプラグミニ
公式価格(税込)5,480円5,480円1,980円
方式配線に埋め込むリレー物理ボタンを押す指ロボットコンセントに挿す
資格・工事電気工事士が必要不要(貼り付け)不要
サイズ42 x 36 x 16mm43 x 37 x 24mm70 x 39 x 39mm
重量27g42g70g
通信Wi-Fi + BLEBLE(遠隔操作にハブが必要)Wi-Fi + BLE
電源配線から給電CR2電池/充電式コンセント
電力測定非対応ー対応
上限AC 6A / DC 6A最大押下力1.15kgf100V・1500W・15A
見た目壁の中で完結スイッチ上に本体が残るコンセントを1口占有

天井直付けのシーリングライトや、コンセントを経由しない埋込照明は、プラグミニでは手が出ない。ボットは工事不要で確実だが、スイッチプレートの上に本体が乗り、電池交換が生まれる。リレースイッチ1はその両方を解決する代わりに、資格と工事費という初期コストを前に持ってくる。

工事を避けたい場合の現実的な選択肢はボットになる。

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なお、赤外線リモコンで操作する家電が中心なら、そもそもこの3製品ではなくスマートリモコンの領域になる。方式ごとの向き不向きはスマートリモコンの選び方で整理している。

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エンジニア視点で見るとどう使えるか

注目したいのは Matter ブリッジ機能である。リレースイッチ1に接続したSwitchBotのBluetoothデバイスを、最大2台までMatter対応デバイスとしてホームアプリやAlexa、Google Home、SmartThingsから扱えるようになる。

SwitchBotのBluetooth専用デバイスは、単体ではスマホが近くにあるときしか動かせず、遠隔操作にはハブが要る。リレースイッチ1はそのハブ役を兼ねる形になるが、上限は2台であり、ハブ3やハブ2のような多台数を束ねる用途の置き換えにはならない。照明の制御をしたついでに、近くのボットやカーテンを1〜2台だけ拾う、という規模で考えるのが妥当である。

Wi-Fi接続に対応しつつ、ローカル優先の設計になっている点も動作条件として押さえておきたい。公式はインターネット環境が不安定な場合でもローカル操作が可能と説明している。照明のように「動かないと生活が止まる」機器を扱う以上、クラウド経由でしか操作できない構成より、Bluetoothでの直接操作が残る構成のほうが復旧の手が多い。

消費電力はON状態で1.2W未満。仮に24時間365日通電し続けた場合でも年間10.5kWh程度で、電力量料金31円/kWhで換算すると年間330円前後になる。壁の中に常時通電する機器が増えることの負担としては小さい部類である。

気になる点

機能一覧と説明文で、ガレージドアの扱いが揃っていない。 仕様の機能説明表では「ガレージドアモード」「ロールスクリーンモード」がいずれも非対応と記載される一方、製品紹介とよくある質問では、ドライ接点でガレージドアやドアベルを作動させられると説明されている。開閉状態を持つ専用モードは備えず、あくまでトリガー出力としての利用にとどまる、と読み取るのが整合的である。ガレージドアの開閉状態をアプリ側で把握したい用途では、別途センサーの併用を検討することになる。

電力測定に非対応。 同じSwitchBotでもプラグミニは消費電力モニターを備えており、節電目的で機器ごとの電力を見たい場合は方向性が異なる。リレースイッチ1は「測る」ではなく「切る」ための製品である。

屋外では使えない。 防水・防塵保護がなく、公式は屋内専用と明記している。門灯やカーポート照明のような屋外設備を対象にする場合、設置位置は屋内側のスイッチボックスに限られる。

過負荷保護装置が非対応。 過昇防止として100℃を超えると自動で電源をOFFにする保護は入っているが、電流側の保護は製品に内蔵されていない。6Aの上限を守る前提が施工側に委ねられている点は、負荷の選定を業者と詰めるべき理由になる。

Amazon.co.jpでは在庫が不安定。 商品ページ自体は存在するものの、価格情報が取得できない状態が続いている。公式直販や各ECモールでの取り扱いもあるため、購入時は複数の販路を比較することになる。

まとめ

SwitchBot リレースイッチ1は、スマートホーム製品としては珍しく「買う前に自宅の配線条件を満たしているか」が最初の分岐になる製品である。中性線がスイッチボックスまで来ていること、負荷がAC6A以内に収まること、そして施工を有資格者に依頼できること。この3つが揃えば、壁の見た目を変えずに既存の照明や設備をそのままスマート化できる。

逆に、賃貸で壁内の配線に手を入れられない場合や、工事の手配自体を避けたい場合は、同価格のボットか、より安価なプラグミニのほうが現実的な解になる。5,480円という本体価格は3製品で横並びに見えるが、リレースイッチ1だけは工事費が別に乗る前提であり、総額での比較が要る。

同じSwitchBotの機器でも、玄関側の製品は前提条件がまた違う。ロックの選び方はスマートロックの選び方、上位機の仕様はSwitchBot ロックUltraで整理している。

編集者:ナナ

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