オーテク ATH-M20xSTS は配信機材を1本に畳めるか|16,940円とブームアーム跳ね上げミュートを整理した
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オーディオテクニカが、ストリーミングヘッドセット「ATH-M20xSTS」を2026年8月28日に発売した。直販価格は16,940円(税込)。同社のスタジオモニターヘッドホン「ATH-M20x」の設計と、マイクロホン「AT20」シリーズの技術を組み合わせた製品で、2023年発売の ATH-M50xSTS に対する下位モデルという位置付けになる。
ヘッドホンとマイクを別々に用意するか、一体型で済ませるかは、デスクの机上面積とケーブル本数に直結する選択になる。16,940円という価格は、単体のモニターヘッドホンとUSBマイクを別々に買うより安いのか、そのぶん何を諦めることになるのか。公式仕様をもとに整理する。
オーディオテクニカ ATH-M20xSTS (E) ヘッドセット 有線 USB / 3.5mm 4極プラグ接続 コンデンサーマイク ゲーミング ストリーマー コンテンツクリエイター ゲーム実況 配信 ポッドキャスト 軽量 ヘッドホン Windows Mac Switch PS5 PS4 【国内正規品】ブラック
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基本スペック
公式の仕様表から主要な数値を抜き出す。ヘッドホン部とマイク部は独立した仕様として公開されている。
| 項目 | ATH-M20xSTS |
|---|---|
| 発売日 | 2026年8月28日 |
| 直販価格 | 16,940円(税込) |
| ヘッドホン部型式 | 密閉ダイナミック型 |
| ドライバー | φ40mm CCAWボイスコイル |
| 再生周波数帯域 | 15〜20,000Hz |
| インピーダンス | 47Ω |
| 出力音圧レベル | 96dB/mW |
| 最大入力 | 700mW |
| マイク部型式 | バックエレクトレット・コンデンサー型 |
| 指向特性 | 単一指向性(カーディオイド) |
| マイク感度 | -44.5dB(0dB=1V/Pa, 1kHz) |
| マイク周波数帯域 | 50〜20,000Hz(at 3cm) |
| 質量 | 約236g(コード除く) |
| JANコード | 4961310166403 |
接続はφ3.5mm 4極ミニプラグを本体側の基本形とし、そこに(φ3.5mm / USB Type-A)と(φ3.5mm / USB Type-C)の変換アダプターが2種類とも同梱される。コードは着脱式の2.0mで、断線時にケーブル単体を交換できる構成になる。
変換アダプター使用時の仕様として、対応サンプリング周波数は入力が48kHz / 96kHz、出力が48kHz / 96kHz / 192kHz / 384kHz、ビット数は入力16bit / 24bit、出力16bit / 24bit / 32bit と公開されている。入力側が96kHzまでで頭打ちになるのは、音声収録用途としては十分な範囲と整理できる。
ブームアームの跳ね上げでミュートする方式
このクラスのヘッドセットで判断材料になりやすいのがミュート操作の方式になる。ATH-M20xSTS はブームアームを跳ね上げる動作そのものがミュートに割り当てられている。インラインリモコンのボタンを探る必要がなく、腕を上げた位置で視覚的にもミュート状態が分かる。

イヤカップ側にはヘッドホンの音量調整も備わる。マイクのミュートがブームアーム、モニター音量がイヤカップと、操作が物理的に分離している構成になる。
マイクはプラグインパワー方式のカーディオイド型で、指向特性は単一指向性。公式の周波数帯域が「50〜20,000Hz(at 3cm)」と測定距離付きで示されているのは、口元近接での使用を前提にチューニングされているためと読み取れる。ブームアームで口元との距離が固定されるヘッドセット型は、この点で据え置きマイクより有利になる。据え置き型を含めた指向性の考え方はマイクの選び方で整理している。
上位モデル ATH-M50xSTS との棲み分け
同社のストリーミングヘッドセットは3モデル構成になる。価格差の内訳を並べる。
| モデル | 直販価格(税込) | マイク接続 | ヘッドホン部 |
|---|---|---|---|
| ATH-M20xSTS | 16,940円 | φ3.5mm 4極+USB変換アダプター同梱 | ATH-M20x 系 φ40mm |
| ATH-M50xSTS | 26,400円 | XLR | ATH-M50x 系 |
| ATH-M50xSTS-USB | 29,700円 | USB(直結) | ATH-M50x 系 |
上位2機種との差は、マイク側の接続方式とヘッドホン部のグレードに集約される。ATH-M50xSTS は XLR 出力のため、オーディオインターフェースやミキサーを既に持っている環境が前提になる。ATH-M20xSTS はプラグアンドプレイで完結する代わりに、外部プリアンプでゲインを詰める余地がない。
ヘッドホン単体で見ると ATH-M20x が直販9,075円なので、ATH-M20xSTS との差額は約7,900円になる。この差額がマイク部と変換アダプター2種、ブームアーム機構の対価という整理になり、同価格帯の単体USBマイクを買い足す構成と比べて机上面積で優位に立つ。
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エンジニア視点で見るとどう使えるか
打鍵音との距離:単一指向性のマイクを口元3cm付近に固定する構成は、キーボードの打鍵音がマイクから見て軸外に来ることを意味する。無指向性のノートPC内蔵マイクや、机上に置くコンデンサーマイクと比べたときの主な差はここになる。会議中にコードを書きながら話す使い方では効いてくる要素と想定される。
ミュートの二重化:Web会議ツール側のソフトミュートと、ブームアーム跳ね上げによる物理的なミュートが独立して存在する。ソフト側のミュート状態を見失う事故に対して、アームの位置という物理的な状態表示が保険になる。
クロスプラットフォームの範囲:公式が明記する対応OSは Windows 11、macOS Sequoia、macOS Tahoe で、変換アダプター経由の仕様は USB2.0 準拠となっている。Linux についての記載は公式仕様表にない。一方、本体側はφ3.5mm 4極のアナログ接続なので、4極入力を持つ機器であれば変換アダプターを介さずに使える。USB アダプター経由と、アナログ直結で、動作条件が異なる点は把握しておきたい。
47Ω という数値の読み方:インピーダンス47Ωは、PCのヘッドホン端子やUSBアダプター内蔵のアンプで鳴らす前提の値になる。出力音圧レベル96dB/mW と合わせると、専用のヘッドホンアンプを介さない構成を想定した設計と整理できる。モニターヘッドホンのインピーダンスと感度の関係はヘッドホンの選び方にまとめている。
気になる点
ノイズキャンセリングは非搭載:密閉ダイナミック型で楕円形イヤカップによる遮音は確保しているが、アクティブなノイズキャンセリングは仕様に含まれない。オフィスやカフェで外音を能動的に消したい用途は対象外になる。
マイクゲインの調整手段:イヤカップ側にヘッドホンの音量調整はあるが、マイクゲインを本体で調整する機構は公式仕様に記載がない。入力レベルの調整はOS側かアプリ側で行う前提になる。
イヤパッドはメッシュ素材:通気性を優先した素材選択で、長時間の装着では有利になる一方、レザー系パッドと比べたときの遮音性は構造的に不利になりやすい。別売のイヤパッド(HP-M20xSTS)は用意されているが、素材違いの選択肢が公開されているわけではない。
Amazon での取り扱い:発売直後は Amazon.co.jp に商品ページが立っていなかったが、2026年9月5日時点で国内正規品(ブラック)の掲載を確認できた。公式オンラインストアと販売店経由に加えて、Amazon も入手経路に加わった形になる。なお公式オンラインストアでは、8月26日10時から9月9日23時59分までの購入・予約を対象としたオリジナルクロスのプレゼントが告知されている。
まとめ
ATH-M20xSTS は、ヘッドホンとマイクを別々に構えていた環境を1本に畳むための製品になる。ATH-M20x 単体との差額約7,900円で、口元固定のカーディオイドマイクとブームアーム跳ね上げミュート、USB変換アダプター2種が付く構成は、机上面積とケーブル本数を減らしたい環境で判断材料になる。
一方で、XLR で外部プリアンプに繋ぎたい、ノイズキャンセリングが欲しい、マイクゲインを手元で回したい、といった要求には応えない。上位の ATH-M50xSTS が26,400円で XLR を選べることを踏まえると、既にオーディオインターフェースがある環境では上位機を検討する余地が残る。配信機材を新規に揃える段階か、既存のオーディオ環境があるかで、選択が分かれる製品になる。
公式情報
編集者:ナナ
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