エレコムIST PROは2万円の価値があるか|ベアリング搭載トラックボールをエンジニア目線で検討した

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トラックボールという選択肢

1日10時間以上PCに向かうと、マウス操作の疲労は蓄積する。ターミナル、エディタ、ブラウザの3画面をマウスで行き来する腕全体の動きが手首に負担をかける。トラックボールなら親指だけでカーソルを動かせるので、腕はデスクに置いたまま。

エレコムIST PROは、ベアリング搭載・10ボタン・12,000DPIのハイエンドトラックボールだ。

スペック

項目IST PRO
操作方式親指操作
ボール径36mm(ベアリング支持・ミネベアミツミ製)
センサー最大12,000DPI(100DPI刻み調整)
ボタン数10(チルトホイール含む)
接続Bluetooth 5.3 / 2.4GHz無線 / USB有線
登録台数最大6デバイス
オンボードメモリ搭載
電源単3電池 or USB給電
サイズ約94×136×56mm / 約158g
価格19,800円(1年保証)/ 24,980円(2年保証)

ベアリング支持の操球感

従来のトラックボールは人工ルビーでボールを支える構造で、ゴミや皮脂が付着すると引っかかりが出る。ベアリングはこの問題を構造的に解消する。金属球がボールを支えつつ自ら回転するため摩擦が極端に少なく、軽く弾くだけでカーソルが画面端まで飛ぶ。4Kモニターの広大なピクセルを一投げでカバーできる慣性の良さはベアリングならでは。

10ボタン×オンボードメモリ

10ボタンはエレコムの「マウスアシスタント」で自由にカスタマイズ可能。重要なのはオンボードメモリの存在で、設定をデバイス本体に保存できるため、ソフトのインストールが制限された職場のPCでもカスタム設定がそのまま使える。

Fn1にターミナル起動、Fn2にVSCodeのコマンドパレット、Fn3にスクリーンショットを割り当てれば、右手をキーボードから離さずに頻繁な操作を完結できる。

MX Ergo Sとの比較

項目IST PROMX Ergo S
ボール支持ベアリング人工ルビー
ボタン数108
接続BT + 2.4GHz + 有線BT + Logi Bolt
最大DPI12,0004,000
オンボードメモリありなし
電源単3電池 / USB給電内蔵充電バッテリー
角度調整固定0°/20°の2段階
Logi Flow非対応対応
価格約19,800円約16,000円

スペック上はIST PROが上回る項目が多い。特にベアリング・10ボタン・オンボードメモリ・有線接続の4点は明確なアドバンテージ。一方、MX Ergo Sは角度調整と充電式バッテリー、Logi Flowによるデバイス間シームレス操作で差別化している。

Logicoolエコシステムに浸かっている人はMX Ergo S、デバイスに縛られず最高の操球感を求めるならIST PROという棲み分けだ。

気になる点

  • 電源が単3電池 or USB給電。内蔵充電式ではないが、バッテリー劣化で本体買い替えが不要とも言える
  • 角度調整なし。MX Ergo Sの20°チルトのような手首角度の調整機能がない
  • 36mmボール径。手の小さい人は操作しづらい可能性あり。家電量販店での実機確認を推奨

まとめ

IST PROはベアリング支持の操球感、10ボタン×オンボードメモリのカスタマイズ性、3方式接続の柔軟性を19,800円に詰め込んだトラックボール。HHKBに3万円、モニターに10万円出す感覚で考えれば、毎日10時間触るポインティングデバイスに2万円は妥当な投資だ。

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