エレコムの静音キーボードが5年ぶり刷新|打鍵音90%低減とBluetooth3台登録の条件を整理した
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エレコムが、静音設計を5年ぶりに見直した静音キーボード「TK-QT11FMM」シリーズと「TK-QT11MMM」シリーズを2026年8月下旬に発売する。公式のニュースリリースによれば、前モデルにあたる TK-FBM118SK/TK-FBM117SK シリーズで課題になっていたキーの手応えを再設計し、同社の通常モデル TK-FCM062BK と比べて打鍵音を90%低減したとされる。
静音キーボードは「音は静かだが押した実感が薄い」という方向に振れやすい。今回はそこを設計側で解いたという主張になっており、加えて Bluetooth と USB2.4GHz無線の両対応、最大3台のマルチ接続が載る。ただし3台すべてを好きな接続方式に割り当てられるわけではなく、条件がある。
TK-QT11FMM / TK-QT11MMM の基本スペック
| 項目 | TK-QT11FMM(フルサイズ) | TK-QT11MMM(ミニサイズ) |
|---|---|---|
| 価格(店頭実勢) | 4,980円 | 4,880円 |
| カラー | ブラック/ホワイト | ブラック/ホワイト |
| キー方式 | メンブレン | メンブレン |
| キーピッチ | 19mm | 19mm |
| テンキー | あり | なし |
| マルチファンクションキー | 8種類 | 9種類 |
| 接続方式 | Bluetooth/USB2.4GHz無線 | Bluetooth/USB2.4GHz無線 |
| 登録可能台数 | 最大3台 | 最大3台 |
| 電源 | 単4形乾電池2本 | 単4形乾電池2本 |
| 発売時期 | 2026年8月下旬 | 2026年8月下旬 |
型番はカラー別に TK-QT11FMMBK/TK-QT11FMMWH、TK-QT11MMMBK/TK-QT11MMMWH の4種類が用意される。フルサイズとミニで100円しか差がないため、選択の基準は価格ではなくテンキーの要否とデスクの奥行きになる。
打鍵音90%低減は何を基準にした数字か
この手の「90%低減」という数字は、比較対象が示されていないと解釈できない。今回は比較元が明示されており、同社の通常モデル TK-FCM062BK が基準になっている。つまり「同じエレコムの標準的なメンブレンキーボードと比べて」という文脈の数値であり、他社の静音モデルや静電容量無接点方式との比較ではない。
設計上の変更点として挙げられているのは、キーの軸・内部空間・ラバーという3要素の見直しである。メンブレン方式でキートップをラバードームが支える構造自体は変わっていないため、押下の重さや戻りの速さが劇的に変わる類の刷新ではなく、打鍵時に発生する音の逃げ道を潰す方向の改良と読み取れる。キーピッチ19mmとキーストロークの構造は一般的なフルサイズ配列の範囲に収まっており、配列を学び直す必要はない。
在宅の会議中にキーを叩く場面や、家族と同じ部屋で作業する時間帯を想定すると、この90%という数字の効き方は「無音になる」ではなく「隣で気になりにくくなる」という水準で捉えるのが現実的である。キーボードの方式ごとの違いはキーボードの選び方でも整理している。
Bluetooth3台登録には割り当ての条件がある
仕様上は「最大3台のデバイスを登録可能」で、接続方式は Bluetooth と USB2.4GHz無線から選べる。ただし初期設定は CH1・CH2 が Bluetooth、CH3 が USB2.4GHz無線という配分になっている。
問題になるのは、CH1・CH2 でも 2.4GHz無線を使いたいケースだ。この場合は追加の「ELECOM Bridge E USBレシーバー」(別売品 M-ER10GY)、または他製品に付属する同レシーバーを別途用意する必要がある。付属するレシーバーはペアリング済みで1個のみのため、2.4GHz無線を2台以上に割り当てる構成では買い足しが前提になる。Bridge E レシーバー自体の仕様はエレコム Bridge E USBレシーバーの記事で整理している。
対応OSは Windows/macOS/iOS/iPadOS/ChromeOS/Android。ただし iOS・iPadOS・Android は Bluetooth接続のみの対応となる。接続されたOSを識別して入力モードを自動で切り替える機能も載るため、Windows機とMacを行き来する環境では設定の手間が減る構成になっている。
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TK-QT11 シリーズの接続方式別の並び
TK-QT11 は今回の2モデルが初出ではなく、すでに接続方式違いのバリエーションが公式サイトに並んでいる。同じ静音設計の中で、どこまで払うと何が付いてくるかを整理すると以下のようになる。
| モデル | 接続方式 | サイズ | 位置づけ |
|---|---|---|---|
| TK-QT11FUMBK | 有線USB | フルサイズ | 電池交換とペアリングが不要な据え置き向け |
| TK-QT11FDMABK ほか | USB2.4GHz無線 | フルサイズ | 1台のPCに固定して使う構成。エレコム直販価格は3,290円(税込) |
| TK-QT11MDMABK ほか | USB2.4GHz無線 | ミニサイズ | 省スペース優先で1台運用 |
| TK-QT11FMM(新) | Bluetooth/2.4GHz無線 | フルサイズ | 複数デバイスを切り替える構成 |
| TK-QT11MMM(新) | Bluetooth/2.4GHz無線 | ミニサイズ | 持ち運びと複数台切り替えの両立 |

2.4GHz無線のフルサイズが3,290円(直販)、新しいマルチ接続モデルが4,980円(店頭実勢)という並びになるため、差額は1,700円前後。この差額で買えているのは「Bluetooth対応」と「3台登録」であり、静音性能そのものは共通と読み取れる。1台のPCにしか繋がないなら安い方で足りる、という判断がしやすい構成である。
エンジニア視点で見るとどう使えるか
複数OSを並行して触る環境では、キーボードの切り替えコストが地味に効いてくる。作業用のWindows機、検証用のMac、手元のiPadという3面構成をひとつのキーボードで回せるなら、デスク上の占有面積とUSBポートの取り合いが同時に解決する。3台登録という仕様はその用途に噛み合う。
一方で、2.4GHz無線を複数チャンネルに割り当てる構成は別売レシーバーが必要になる。BIOS画面やOSインストール時のようにBluetoothが立ち上がる前の場面を触る機会が多いなら、2.4GHz無線側のチャンネル数が実用上の制約になり得る。この用途では CH3 の1枠で足りるか、レシーバーを買い足す前提かを先に決めておいた方がいい。
電源が単4形乾電池2本の交換式である点も、運用の観点では判断が分かれる。充電式のように「切れたらケーブルを挿す」という逃げ道はないが、代わりに充電池の劣化で数年後に本体ごと入れ替える必要がなくなる。乾電池のストックを常備している環境なら、長期運用ではむしろ扱いやすい。
液体をこぼした際に本体裏面の水抜き穴から排出する排水機構も備わるが、防水設計ではないと明記されている点は押さえておきたい。
気になる点
まず、価格帯に対して機能が詰まっている反面、キー方式はメンブレンである。静電容量無接点方式やメカニカルの打鍵体験を求める層とは、そもそも狙いが違う製品と整理できる。
次に、3台マルチ接続の割り当て自由度が完全ではない。「最大3台」という表記だけを見て購入すると、2.4GHz無線を2台に振れないという条件で詰まる可能性がある。別売レシーバーの追加費用まで含めた総額で見る必要がある。
またフルサイズとミニでマルチファンクションキーの数が8種類と9種類で逆転しており、テンキーの有無だけで選ぶと専用キーの構成が想定と変わることがある。どのキーが独立して割り当てられているかは、購入前に公式の製品ページで確認しておきたい。
最後に、発売時期が「8月下旬」という幅を持った表記であり、記事執筆時点でAmazon.co.jpには新モデルの商品ページが立っていない。同シリーズの2.4GHz版はすでに流通しているため、急ぐ場合はそちらが現実的な選択肢になる。
まとめ
TK-QT11FMM/TK-QT11MMM は、静音キーボードの弱点とされてきた押し心地の薄さを設計から見直した上で、Bluetoothと3台登録を4,980円/4,880円という価格に載せたモデルである。90%という打鍵音低減の数字は同社通常モデル TK-FCM062BK との比較値であり、その前提で読む必要がある。
判断の分かれ目は接続台数だ。1台のPCに固定するなら同シリーズの2.4GHz版で1,700円前後安く済む。複数OSを切り替える運用なら新モデルが噛み合うが、2.4GHz無線を2チャンネル以上使う構成では別売の Bridge E レシーバーが前提になる点を織り込んでおきたい。
■ 参考リンク
編集者:ナナ
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