サンワサプライの2画面出力ハブは41gで足りるか|USB-5TCHHP32BKの4K/60Hz×2を整理した
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サンワサプライが、2画面出力対応のUSB Type-Cハブ「USB-5TCHHP32BK」を2026年8月4日に発売した。市場想定価格は10,450円(税込)。
同社は7月29日に8K出力対応のUSB-10TCHPS39Sを投入したばかりで、そこから1週間ほどでの追加投入となる。8K/1画面と4K/2画面という、方向性の異なる2製品が並んだ形だ。
本製品の特徴は、HDMI×2、またはHDMI+Type-Cという2通りの組み合わせで4K/60Hzの2画面出力ができる点と、本体41g・ケーブル一体型60cmという携行前提の設計にある。公式スペックをもとに、何ができて何が条件になるのかを整理する。
基本スペック
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 型番 | USB-5TCHHP32BK |
| 発売日 | 2026年8月4日 |
| 市場想定価格 | 10,450円(税込)/9,500円(税抜) |
| ポート構成 | HDMI×2/USB Type-C×2/USB A×2(計6ポート) |
| 転送規格 | USB 5Gbps(USB 3.2 Gen1)準拠 |
| 最大解像度 | 4K/60Hz(3840×2160) |
| 同時出力ディスプレイ数 | 2台 |
| HDR | 非対応 |
| HDCP | 2.3/2.2/2/1.4 |
| PD入力 | 最大100W |
| PC側への給電 | 最大85W |
| 本体消費電力 | 15W |
| バスパワー時の供給電流 | 最大3000mA(全ポート合計) |
| ケーブル | 一体型・60cm |
| サイズ/重量 | 約W60×D30×H13mm/41g |
| 材質 | ABS |
| ACアダプタ | 付属なし |

「映像ポート3つ・同時出力2台」という仕様の読み方
このハブでいちばん誤解しやすいのが、映像に使えるポートの数と、同時に映せるディスプレイの数が一致しない点である。
公式仕様では映像出力ポートは3ポート(HDMI×2+Type-C×1)と記載されているが、同時に出力できるディスプレイ台数は2台と明記されている。つまり3ポートは「差し込める場所が3つある」という意味であって、3画面出力ができるわけではない。
組み合わせは次の2通りになる。
| 組み合わせ | 使うポート | 想定される用途 |
|---|---|---|
| HDMI×2 | HDMI 2ポート | 据え置きの外部モニター2台 |
| HDMI+Type-C | HDMI 1ポート+Type-C 1ポート | Type-C入力のモバイルモニターや、タッチパネル対応Type-Cディスプレイと併用 |
Type-C側はタッチパネル対応ディスプレイにも対応するとされており、HDMI一択ではない構成が選べる。ポートが余る前提の設計は、接続先を差し替えて使う運用と相性がよい。
なお、映像出力にはPC側がDisplayPort Alt Mode(DP1.4以上)に対応している必要がある。Type-Cポートを備えていても映像出力に非対応の機種では、このハブのHDMI出力は機能しない。購入前に確認すべき条件はこの1点に集約される。
給電は「100W入力・85W出力・15W自家消費」で計算が合う
PD周りの数字は、入力100W・PC側へ最大85W・本体消費電力15Wと公開されている。100Wから15Wを引くと85Wになるため、ハブ自身が使う分がそのまま差分として表に出ている構成と読み取れる。
この15Wという値は、映像変換とUSBポートへの給電をまかなうための取り分と整理できる。バスパワー時の供給電流は全ポート合計で最大3000mAとされており、ポータブルSSDのような消費の大きい機器を複数ぶら下げる場合は、PD電源を挿してセルフパワーで動かす前提になる。
給電は「電源→ハブ→ノートPC」という経路になるため、ACアダプタは別途用意する必要がある。85Wを引き出したい場合、100W以上の出力を持つPD充電器を組み合わせることになる。手持ちの充電器のW数を確認しておきたい部分である。
同社USB-10TCHPS39Sとの棲み分け
同じサンワサプライのType-Cハブとして、7月29日発売のUSB-10TCHPS39Sがある。ポート数と価格帯が近いため、比較対象になりやすい。
| USB-5TCHHP32BK | USB-10TCHPS39S | |
|---|---|---|
| 発売日 | 2026年8月4日 | 2026年7月29日 |
| 転送規格 | USB 5Gbps | USB 10Gbps |
| 映像の強み | 4K/60Hzの2画面出力 | 8K/30Hz・4K/120Hzの高解像度出力 |
| 同時出力 | 2台 | 1台 |
| PD入力/PC側給電 | 100W/85W | 100W/85W |
| 特徴的な装備 | ケーブル一体型60cm・41g | 接続状態を色で示すLED |
給電条件は同一で、分かれるのは転送速度と映像の考え方である。1枚の画面に解像度とリフレッシュレートを集中させたいならUSB-10TCHPS39S、画面を2枚に分けて作業面積を稼ぎたいなら本製品、という切り分けになる。
ハブとドッキングステーションの区分そのものが曖昧に感じる場合は、ドッキングステーションの選び方で3タイプの違いを整理している。
エンジニア視点で見るとどう使えるか
据え置きのドックを持っている環境で、これを2台目として持ち出す使い方が現実的な線になる。41g・W60×D30×H13mmという寸法は、ケーブルを含めてもポーチの隙間に入る規模である。
出社日や客先での作業を想定すると、効いてくるのは60cmのケーブル一体型という点だ。ハブ本体とケーブルが分離していると、ケーブルを別途持つか、短いケーブルで本体をPC直近に転がすことになる。60cmあれば、スタンドに載せたノートPCから机の奥のモニターまで、無理のない取り回しができる。
対応OSはWindows 11/10、macOS 26(Tahoe)から11(Big Sur)、iOS/iPadOS 18・26、Android 15/16、ChromeOSと幅広い。iPadやスマートフォンからの映像出力も想定されており、複数OSを行き来する環境で使い回しやすい。
Thunderboltポートへの接続も可能とされているが、Thunderboltの転送速度には対応せず、Thunderbolt専用機器も接続できない。TB4/TB5環境で40Gbps以上の帯域を前提にした運用をしているなら、これは別枠の道具と考えるのが正しい。
気になる点
USB 5Gbps(USB 3.2 Gen1)という転送規格は、2026年の製品としては控えめである。ポータブルSSDで実用速度を出したい用途では、10Gbps対応の製品との差が出る。ストレージを常時ぶら下げる想定なら、この点は妥協になる。
HDRは非対応と明記されている。動画視聴やHDR前提のカラーワークを外部モニターで行う場合、この経路では扱えない。
有線LANポートとSDカードスロットは搭載しない。会議室の有線LANや、カメラのSDカードを直接読む運用が必要なら、ポート構成が足りない。
10,450円(税込)という価格は、映像出力なしのUSBハブと比べれば当然高い。2画面出力とPD 85W給電のどちらも使わない環境では、価格に見合った回収がしにくい。
まとめ
USB-5TCHHP32BKは、4K/60Hzの2画面出力とPD 85W給電を41gの筐体に収めた製品である。3つある映像ポートのうち同時に使えるのは2つ、そしてPC側のDisplayPort Alt Mode対応が前提という2つの条件を理解していれば、外に持ち出す2画面環境として素直な選択肢になる。
一方で、USB 5Gbps・HDR非対応・LANとSDなしという割り切りもはっきりしている。据え置きのメインドックを別に持ち、持ち出し用として画面を増やす役割に絞るなら、この構成と重量は噛み合う。ストレージ速度や有線LANまで1台でまかないたい場合は、上位のドッキングステーションを見た方が早い。
編集者:ナナ
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