サンワサプライ MR-LC806BKはモニター台とUSBハブの一体解か|高さ2段階と800mAを整理した
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サンワサプライが、USBハブと引き出しを備えたモニター台「MR-LC806BK」を2026年8月20日に発売した。モニター台としては珍しく、高さ調整・USBハブ・A4引き出し・キーボード収納という4つの機能を1台に載せている。
モニターの高さを上げる手段は、モニターアーム・昇降デスク・モニター台の3つに大別できる。このうちモニター台は最も安価で、最も設置条件を選ばない代わりに、調整の自由度が低い。MR-LC806BKはその「自由度の低さ」を高さ2段階という形で最小限だけ緩め、空いたコストをUSBハブと引き出しに振っている構成と読み取れる。
基本スペック
| 項目 | MR-LC806BK |
|---|---|
| 品番 | MR-LC806BK |
| 発売日 | 2026年8月20日 |
| 外寸 | W590×D240×H100mm |
| 天板サイズ | W590×D240mm(厚さ15mm) |
| 高さ | 7cm/10cm の2段階(付属スペーサーで切替) |
| 天板耐荷重 | 10kg(均等荷重) |
| 引き出し耐荷重 | 2kg |
| USB規格 | USB 5Gbps(USB3.2 Gen1/3.1 Gen1/3.0)準拠 |
| ポート | USB 5Gbps Aメス×4(ダウンストリーム) |
| 接続 | USB 5Gbps Aオス×1(アップストリーム・ケーブル一体型50cm) |
| 供給電流 | 最大800mA(全ポート合計) |
| カラー | ブラック |
| 価格 | 12,100円(税込・税抜11,000円) |

高さ7cm・10cmという刻み方をどう見るか
モニター台の高さは、目線の高さから逆算して決める。一般的な事務机の天板高は70cm前後で、そこに27インチクラスのモニターをスタンド込みで置くと、画面中央はおおむね目線よりやや下に来る。7cmと10cmの差は3cmでしかないが、この3cmは画面中央の位置を目線に対して上下させるには十分な幅で、椅子の座面高やモニタースタンドの高さの違いを吸収する調整幅として設計されていると整理できる。
裏を返すと、7cmでも高すぎる環境では選択肢がない。天板が薄い昇降デスクや、もともとスタンドが高いモニターを載せる場合は、モニター台そのものが不要になるケースがある。高さの下限が7cmで固定されている点は、購入前に実測しておきたい条件になる。
天板は W590×D240mm、厚さ15mm。奥行240mmはモニタースタンドの設置面としては標準的で、24〜27インチの一般的なスタンドであれば収まる。ただし脚が前後に大きく張り出すV字スタンドや、円形ベースの直径が240mmを超えるモニターは載せきれない可能性がある。
天板耐荷重10kgをどう読むか
天板耐荷重は10kg(均等荷重)。27インチのIPS液晶モニターはスタンド込みで5〜7kg程度が多いため、1台であれば余裕がある。一方で以下のような使い方は上限に近づく。
- 27インチ以上のモニターを2台並べる(2台合計で10〜14kg程度)
- 有機ELや大型のゲーミングモニターを載せる(スタンドが重い個体が多い)
- モニターに加えてノートPCやスピーカーを同居させる
「モニター台に2画面を載せる」用途は、幅590mmという時点でも厳しい。24インチを2枚並べると横幅はおおむね1,060mm前後になり、天板から大きくはみ出す。MR-LC806BKは1画面+周辺機器の据え置きを前提とした寸法だと整理できる。
2画面以上を高さ方向に自由配置したいなら、モニター台ではなくモニターアームの選び方で整理したVESA固定式のほうが要件に合う。
USB 4ポートは「何を挿すか」で評価が変わる
前面のUSB Aポート4基は、USB 5Gbps(USB3.2 Gen1)準拠。ケーブル一体型50cmのAオスをPC側に挿すセルフ構成ではなくバスパワー動作で、供給電流は全ポート合計で最大800mAとされている。
この800mAという値が、このハブの性格を決めている。USB 3.0の規格上、1ポートあたりのバスパワー給電は最大900mAなので、4ポート合計800mAは「1ポート分にも満たない電流を4口で分け合う」設計になる。想定される使い分けは次のとおり。
| 挿すもの | 目安の消費電流 | 適性 |
|---|---|---|
| USBメモリ | 100〜200mA | ◎ 問題なし |
| 有線マウス・キーボード | 50〜100mA | ◎ 問題なし |
| USBオーディオ・DAC(小型) | 100〜200mA | ○ 単体なら可 |
| バスパワーのポータブルSSD | 400〜900mA | △ 単独占有前提 |
| バスパワーの2.5インチHDD | 500〜900mA | ✕ 電力不足になりやすい |
| スマートフォンの充電 | 500mA〜3A | ✕ 充電目的には向かない |
つまりMR-LC806BKのUSBハブは「手元でUSBメモリやレシーバーを抜き差しするための口」であって、ストレージ用のハブでも充電用の口でもない。デスクにポータブルSSDを常時接続したい、スマートフォンを手元で充電したいという使い方をするなら、USBハブ・ドッキングステーションの選び方で整理したセルフパワー型を別に用意する前提になる。
アップストリームがType-AでUSB-Cではない点も、環境によっては変換が必要になる。Type-Cポートしか持たないノートPCと組み合わせる場合、A-C変換アダプタを挟むか、別途ドックを噛ませる構成になる。
モニターアーム・昇降デスクとの棲み分け
| 手段 | 高さの自由度 | 設置条件 | 副次的な機能 |
|---|---|---|---|
| モニター台(MR-LC806BK) | 7cm/10cmの2段階 | 天板に置くだけ | USBハブ・引き出し・キーボード収納 |
| モニターアーム | 無段階(上下・前後・回転) | 天板の厚み・クランプ可否に依存 | なし(配線整理機能を持つ製品はある) |
| 昇降デスク | デスク全体が無段階 | 設置スペースと予算が必要 | 立ち作業への切り替え |
MR-LC806BKが有利なのは「天板にクランプが付けられない机」を使っているケースだ。天板の奥に壁面や幕板があってクランプが噛まない、ガラス天板でアームを付けたくない、賃貸で机に穴を開けられない——こうした条件ではモニターアームが最初から選択肢に入らない。
既存の机を活かしたまま立ち作業も取り入れたい場合は、サンワサプライのリフトアップデスクのような後付け昇降ユニットが競合になる。ただしこちらは天板の上に乗せる構造上、モニター台と同時には使いにくい。デスク環境全体から検討するなら昇降デスクの選び方も併せて確認したい。
エンジニア視点で見るとどう使えるか
在宅と出社を行き来する環境では、デスクの上に「その日使うものを置いておく場所」が要る。MR-LC806BKの引き出しはA4サイズ対応・耐荷重2kgで、社用ノートPCの充電器やドックを寝かせておくには十分なサイズになる。天板下にキーボードとマウスを収納できるスペースもあるため、作業終了時に机上をリセットする運用と相性がよい。
USBハブの位置が前面なのも、運用面では効いてくる。PC本体を机の下に置いている環境だと、USBメモリを1本挿すために毎回かがむことになる。前面4ポートは、YubiKeyのようなセキュリティキーや、検証用のUSBメモリを頻繁に抜き差しする作業では手数を減らす。ただし前述のとおり供給電流が800mAなので、外付けストレージを常設する口としては数えないほうがよい。
配線の観点では、ケーブル一体型50cmという長さが制約になる。デスク奥のPCまで届かない場合、延長ケーブルを挟むことになるが、USB 5Gbpsの延長は信号品質の影響を受けやすい。PCが遠い環境では、机上に別のセルフパワーハブを置いてそちらを主とし、MR-LC806BKのハブは軽い用途に限定する構成が現実的になる。
気になる点
- 高さの下限が7cm:もともと目線が高い環境や、スタンドが高いモニターでは過剰になる。下げる方向の調整はできない
- 供給電流が全ポート合計800mA:バスパワーのSSD・HDD、スマートフォン充電には向かない。ハブの用途は限定される
- アップストリームがType-A:USB-Cのみのノートパソコンでは変換が必要になる
- 天板幅590mm:デュアルモニターを載せる寸法ではない。1画面前提の製品
- ケーブル長50cm固定:PC本体の設置位置によっては届かない
まとめ
MR-LC806BKは「モニター台に高さ調整とUSBハブと収納を全部載せた」製品ではあるが、それぞれの機能は控えめな水準に置かれている。高さは2段階、USBハブはバスパワー800mA、引き出しは2kgまで。単機能の製品と比べれば、どの軸でも上位互換にはならない。
それでも成立するのは、モニターアームが使えない机で、机上を1台で片付けたい場合だ。クランプが噛まない天板、穴を開けられない賃貸、ガラス天板——こうした制約がある環境では、置くだけで高さ・配線・収納を同時に解決できる構成そのものが価値になる。逆に、天板にクランプが付けられて、外付けストレージを常設したいのであれば、モニターアームとセルフパワーハブを個別に選んだほうが要件を満たしやすい。
購入前に確認しておきたいのは、モニタースタンドの設置面が奥行240mm・幅590mmに収まるか、スタンド込みの重量が10kgを下回るか、そしてPC本体まで50cmのケーブルが届くかの3点になる。
公式情報
編集者:ナナ
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