ゲーミングモニターの選び方|FHD高Hz・WQHD IPS・WQHD OLED・大画面5K2Kの4タイプで整理した
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ゲーミングモニターの製品ページで最初に目に入るのはリフレッシュレートの数字だが、その数字が実際に出るかどうかは、モニター単体ではなく「解像度 × 接続規格 × GPUが出せるフレームレート」の3つで決まる。260Hz対応と書かれていてもHDMI接続では240Hz止まり、210Hz対応でも搭載端子がHDMI 2.0だけなら帯域が足りない、といった条件は仕様表の下の方に書かれていることが多い。
ここでは市販されているゲーミングモニターをFHD高リフレッシュ型・WQHD IPS標準型・WQHD OLED型・大画面5K2K型の4タイプに分け、公式仕様をもとに「どこで頭打ちになるか」から選び分けを整理する。作業用途を主軸に据える場合の判断軸はデスクモニターの選び方で別途整理している。
4タイプの比較
| タイプ | 解像度 | リフレッシュレート帯 | パネル | 価格帯の目安 |
|---|---|---|---|---|
| A:FHD高リフレッシュ型 | 1920×1080 | 240〜1,000Hz | IPS | 1.6万〜18万円 |
| B:WQHD IPS標準型 | 2560×1440 | 200〜240Hz | IPS | 2.7万〜5万円 |
| C:WQHD OLED型 | 2560×1440 | 240〜540Hz | QD-OLED/W-OLED | 7万〜17万円 |
| D:大画面5K2K型 | 5120×2160 | 165/330Hz | タンデムOLED | 20万円前後 |
同じ「ゲーミングモニター」でも、Aの下限とDでは10倍以上の価格差がある。差の中身はパネル方式と解像度であり、リフレッシュレートの数字そのものは価格の主因になっていない。
リフレッシュレートは何ミリ秒の差になるか
リフレッシュレートは1秒間に画面が書き換わる回数で、1フレームあたりの表示間隔に換算すると次のようになる。
| リフレッシュレート | 1フレームの表示間隔 | 60Hzとの差 |
|---|---|---|
| 60Hz | 16.67ms | ー |
| 144Hz | 6.94ms | 9.73ms |
| 240Hz | 4.17ms | 12.50ms |
| 300Hz | 3.33ms | 13.34ms |
| 500Hz | 2.00ms | 14.67ms |
| 540Hz | 1.85ms | 14.82ms |
| 1,000Hz | 1.00ms | 15.67ms |
60Hzから144Hzへ上げると9.73ms縮まるのに対し、240Hzから540Hzへ上げても縮むのは2.32msにとどまる。数字の伸び幅に対して体感差が逓減する構造になっており、上位帯の投資対効果は下位帯より小さくなると整理できる。1,000Hz対応機の位置づけについてはLG 25G590B-Bの記事で個別に扱っている。
もう一点、モニター側のリフレッシュレートはGPUが実際にそのフレーム数を出せて初めて意味を持つ。240Hz以上を狙う場合、解像度を下げるか描画設定を落とすかの判断がセットになる。
タイプA:FHD高リフレッシュ型
競技性の高いタイトルで、フレーム間隔を最優先する構成。解像度をフルHDに抑えることでGPU側の負荷を下げ、高いフレームレートを出しやすくする狙いがある。24.5型が事実上の標準サイズで、視線移動量が小さく画面全体を視野に収めやすい。
代表機のひとつがアイオーデータのGCFXシリーズEX-GD252UHで、24.5型フルHDのIPS(HFS)パネル、応答速度0.8ms[GTG]。260Hz対応はDisplayPort接続時のみで、HDMI接続では240Hz止まりという条件が公式仕様に明記されている。型番構成と販路の違いはEX-GD252UHの記事で整理した。
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同じ24.5型フルHDのIPSでは、LGのUltraGear 25G550B-Bが300Hz・1ms(GTG)で並ぶ。こちらもDisplayPort接続で48〜300Hz、HDMI接続では48〜240Hzと、端子によって上限が変わる仕様になっている。NVIDIA G-SYNC Compatible対応、sRGBカバー率99%。
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このタイプで注意したいのは、DisplayPortケーブルとGPU側の出力端子が上限を決める点である。HDMI接続しかできない環境では、260Hzや300Hzの表記は事実上使えない。
タイプB:WQHD IPS標準型
2560×1440の解像度に200〜240Hz級のIPSパネルを組み合わせた、価格と作業性のバランスを取る構成。27型でWQHDの画素密度は約109ppiとなり、ゲーム以外の作業でも文字サイズが破綻しにくい。
GIGABYTEのM27Q2 QD ICEは27型SS IPS、2560×1440、200Hz(オーバークロック時210Hz)、応答速度1ms GTG。DCI-P3カバー率99%、輝度350cd/m2(TYP)、VESA DisplayHDR 400対応。搭載端子はHDMI 2.0×2とDisplayPort 1.4×1、USB Type-C(DP Alt Mode、給電18Wまで)で、210Hzを引き出せるのはDisplayPortとUSB-Cの経路になる。
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家庭用ゲーム機との併用を前提にするなら、PlayStation純正のCFI-ZDM1Jが27型QHD IPSで、PS5・PS5 Proでは最大120Hz、対応するPC・Macでは最大240Hz。希望小売価格は49,980円(税込)で数量限定。ゲーム機とPCを1台のモニターで共用する構成についてはPlayStation純正27型モニターの記事で扱った。
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なお同じWQHD 27型でも、パネル方式の違いで価格は大きく動く。QD-OLEDとIPSで2.7倍の差がつく例はGIGABYTEのドスパラ専売2機種の記事で比較している。
タイプC:WQHD OLED型
WQHDのまま応答速度と黒表現を引き上げる構成。有機ELの応答速度は0.02〜0.03ms GtGの水準で、IPSの1ms前後とは1桁以上の差がある。動きの速い映像で残像が残りにくい一方、標準輝度は液晶より控えめになり、焼き付き対策の機能と保証条件が選定材料に加わる。
BenQのMOBIUZ EX271QZは26.5型WQHDの量子ドット有機ELで500Hz、応答速度0.03ms。Pixel Refresh・Idle Dimmer・Pixel Shiftを含む焼き付き防止機能と、グラフェンフィルムによる放熱設計を備える。同シリーズの240Hzモデルとの棲み分けはBenQ EX271QMZの記事で整理した。
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さらに上の帯域では、ソニーのINZONE M10S IIが27型有機ELのWQHDで540Hz、応答速度0.02ms GtG。映像入力はDisplayPort 2.1で540Hz、HDMI 2.1では480Hzとなり、ここでも端子によって上限が変わる。前モデルからの差分はINZONE M10S IIの記事にまとめた。
ソニー(SONY) INZONE M10S II : SDM‑27Q102 Fnatic共同開発 有機EL QHD 27インチ OLED 540Hz / 応答速度0.02ms Dual Mode HD720Hz(DFR)モーションブラー低減 アンチVRRフリッカー スーパーアンチグレアフィルム 24.5インチモード搭載 eスポーツ最上位モデル 最大垂直解像度
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有機ELを長期運用の対象にする場合、確認しておく項目は焼き付き保証の年数と、輝度の実用値である。標準輝度200cd/m2級の製品は、日中の明るい部屋では液晶より暗く感じられる条件がある。
タイプD:大画面5K2K型
ゲームと作業を1画面で兼ねる構成。Alienware AW3926QWは38.9型のRGBストライプ タンデムOLEDで、解像度5120×2160、リフレッシュレートは5K表示時165Hz、1080p表示時330Hzのデュアルモード、応答速度0.03ms GtG。価格は199,980円(Dell公式直販、税・送料込)。
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39型5K2Kの画素密度は約142ppiで、27型WQHDの約109ppiより高い。従来のウルトラワイドOLEDで指摘されてきた文字のにじみに対して、サブピクセル配列を変えて対応した構成になる。詳細はAlienware AW3926QWの記事で扱った。
このクラスはUSB-C給電やKVM内蔵を備える製品が多く、ゲーム機・デスクトップPC・ノートPCを1台に集約する用途と噛み合う。一方で設置幅と重量、電源容量の確認は避けられない。
接続規格で上限が決まる
4タイプに共通して、リフレッシュレートの上限は接続規格の帯域で先に頭打ちになる。
| 規格 | 帯域 | 目安 |
|---|---|---|
| HDMI 2.0 | 18Gbps | WQHD 144Hz級まで |
| HDMI 2.1 | 48Gbps | 4K 120Hz/WQHD 240Hz級 |
| DisplayPort 1.4(DSC併用) | 32.4Gbps | WQHD 240Hz級 |
| DisplayPort 2.1 UHBR20 | 80Gbps | WQHD 500Hz超/5K2K 165Hz級 |
製品側が高いリフレッシュレートに対応していても、GPUの出力端子とケーブルが同じ規格に揃っていなければ数字は出ない。DisplayPort 2.1を必要とする構成では、GPU側の対応世代を先に確認する順序になる。HDMI側のケーブル規格の違いはHDMIケーブルの選び方で整理している。
気になる点
タイプAのフルHD機は、ゲーム以外の作業では画面情報量が不足しやすい。24.5型フルHDの画素密度は約90ppiで、27型WQHDの約109ppiより低く、テキスト主体の作業では文字が大きく表示される。1台で兼用する前提なら、タイプBかDが現実的な選択肢になる。
タイプCとDの有機ELは、輝度と焼き付きの条件が液晶と異なる。固定表示のUIを長時間映す用途では、Pixel Shiftなどの保護機能が有効に働く一方、常時同じ位置に情報を表示し続ける使い方は想定から外れる。
タイプBは価格面で選びやすい反面、搭載端子がHDMI 2.0中心の製品では公称値を引き出せない場合がある。仕様表で「どの端子で何Hzか」を確認する手順は、どのタイプでも省略できない。
まとめ
- 競技性を最優先し、GPUで高フレームレートを出せる構成ならタイプA
- 価格と作業性のバランスを取り、ゲーム機との併用も見込むならタイプB
- 応答速度と黒表現を引き上げ、焼き付き対策の条件を許容できるならタイプC
- ゲームと作業を1画面に集約し、設置環境を確保できるならタイプD
いずれのタイプでも、判断の起点になるのはモニター単体の数字ではなく、GPUの出力端子・ケーブル規格・実際に出るフレームレートを含めた経路全体になる。仕様表のリフレッシュレート欄と端子欄を並べて読む順序を取れば、購入後に「表記の数字が出ない」状態は避けやすくなる。
編集者:ナナ
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