Mistel MD770 PROは分離型キーボードで何を足したか|フルCNCアルミ・2.4GHz無線・VIA対応と約1.3kgの重さを整理した
当記事はアフィリエイト広告を利用しています。詳細
プリンストンが、台湾Mistelの分離型メカニカルキーボード「Barocco Mistel MD770 PRO(英語配列)」を2026年10月に発売する。左右に分かれた75%相当の配列を、フルCNC加工のアルミケースに収めた構成で、2024年9月に国内展開された MD770 RGB BT からは、接続方式・ホットスワップ・キーマップ設定・筐体素材の4点が更新されている。
分離型は、左右の手を肩幅に合わせて置ける反面、筐体が増えるぶん重量と価格が上がりやすい。本記事では、公式製品ページと公式ストアの表示をもとに、MD770 PRO が前世代から何を足し、何を引き換えにしたかを数値で整理する。
MD770 PRO の基本スペック
| 項目 | ML-MD770PRO-US-KT/HY | ML-MD770PRO-US-HM/PP |
|---|---|---|
| スイッチ | KTT HYACINTH(リニア) | HMX PEACH PINK(サイレントリニア) |
| 配列・キー数 | 英語US配列・83キー | 同左 |
| 接続 | 有線USB/2.4GHz無線/Bluetooth 5.0 | 同左 |
| ポーリングレート | USB・2.4GHz:1,000Hz/Bluetooth:125Hz | 同左 |
| 筐体 | フルCNCアルミケース | 同左 |
| ホットスワップ/VIA | 対応/対応 | 同左 |
| キーキャップ | PBTダブルショット(Cherry互換プロファイル) | 同左 |
| バッテリー | 内蔵リチウムポリマー/最大85時間(バックライト消灯時)、充電約4時間 | 同左 |
| 本体サイズ | 左:約144×135×37mm/右:約187×135×37mm | 同左 |
| 重量 | 約1,325g(左右一体時) | 同左 |
| カラー | ホワイト | ホワイト |
| 発売時期 | 2026年10月 | 2026年10月 |
メーカー価格はオープンで、プリンストンの製品ページに金額の記載はない。公式通販のプリンストンダイレクト Yahoo!店の表示価格は、HYACINTH版が38,980円、PEACH PINK版が39,980円(確認時点でPEACH PINK版は在庫切れ表示)だった。
前世代 MD770 RGB BT との差分
2024年9月発売の MD770 RGB BT(英語配列)と、公式製品ページの仕様を並べると、変更点は次のように整理できる。
| 項目 | MD770 RGB BT(2024年9月) | MD770 PRO(2026年10月) |
|---|---|---|
| 接続 | 有線USB/Bluetooth 5.0 | 有線USB/2.4GHz無線/Bluetooth 5.0 |
| キー数 | 85キー | 83キー |
| スイッチ | Cherry MX(5種から選択) | KTT HYACINTH/HMX PEACH PINK(2種) |
| ホットスワップ | 非対応 | 対応 |
| キーマップ設定 | マクロ機能(VIAの記載なし) | VIA対応(JSONファイルを公式配布) |
| 連続使用時間 | 最大35時間 | 最大85時間(バックライト消灯時) |
| 重量(左右一体時) | 約860g | 約1,325g |
| 筐体 | 製品ページに素材の明記なし | フルCNCアルミ |
最も大きく動いたのは、連続使用時間(35時間から85時間)と重量(860gから1,325g)である。重量は約465g増えており、アルミ筐体と複層構造の防振材を採用した結果と読み取れる。キー数は2つ減っているため、前世代と同じ感覚で右側の配列を使えるとは限らない。VIAでキーマップを組み替えられる点が、その差を埋める手段になる。
ホットスワップとVIA対応が意味すること
ホットスワップ対応は、はんだ付けなしでスイッチを差し替えられる仕様である。公式は「ユーザー自身でキースイッチを交換できる」と案内しており、標準の2種類(リニア/サイレントリニア)に満足できない場合の逃げ道になる。前世代の MD770 RGB BT は非対応のため、スイッチ選択が購入時に固定されていた。
VIA対応は、キーマップ・マクロ・レイヤーをブラウザ上のツールで書き換えられる仕様を指す。プリンストンは「VIA用JSONファイル」を製品ページで配布しており、VIA側にJSONを読み込ませて設定する運用になる。メーカー専用ツールでキーマップを変える方式は、HHKBのキーマップ変更ツールを整理した記事で扱っており、設定の作法を比べる材料になる。
3接続・最大3台のマルチペアリング
接続は有線USB、2.4GHz無線(USBレシーバー)、Bluetooth 5.0の3系統で、最大3台のデバイスを切り替えるマルチペアリングに対応する。対応OSは Windows、macOS、Linux。
接続方式でポーリングレートが変わる点は押さえておきたい。USBと2.4GHzは1,000Hz、Bluetoothは125Hzと記載されている。文書作成やコーディングが中心なら125Hzでも運用上の問題は出にくいが、反応の速さを重視する用途では2.4GHzか有線を選ぶ前提になる。8,000Hz級の高速ポーリングを前面に出すゲーミング向けの製品とは性格が異なり、磁気式キーボードの選び方の整理とは用途が分かれる。
筐体と構造:フルCNCアルミと複層防振
公式は、PORONシート、PET、IXPE、基板、スイッチマウントプレートを組み合わせた複層構造で、共振や余計なノイズを抑えると説明している。静音性や打鍵音の程度を示す数値(dBなど)は、確認した公式ページには記載がない。
筐体は削り出しのアルミで、重量は左右一体時に約1,325gある。持ち運ぶより据え置きで使う前提の質量で、左右を離して配置する分離型の使い方とは相性がよい。同じフルアルミ筐体を採用した一体型の高級機との違いは、Keychron Q6 Ultra 8Kの記事で整理している。
BAROCCO MiSTEL エルゴノミクス 分割 キーボード MD770PRO US (英語配列/KTT Hyacinth軸) グレー ML-MD770PRO-US-KT/HY
Amazonで見る →
英語配列83キーの割り切り
MD770 PRO の製品ページは英語US配列(英語配列)のみで、日本語配列版は確認できなかった。かな刻印のないキートップで、ローマ字入力を前提にした構成になる。
キー数が83と絞られているため、ファンクションキーやナビゲーションキーの一部は配列上にあっても、数字キーパッドは載らない。表計算でテンキー入力が日常的に発生する場合は、別途テンキーを用意する前提で検討することになる。配列方式ごとの違いはキーボードの選び方で整理している。
エンジニア視点での位置づけ
分離型の利点は、左右の手の間隔を肩幅に合わせて調整できることで、公式も「腕を自然な位置でキープできる」と説明している。分割スタイルに慣れるまでは通常のキーボードのように使う運用も案内されており、完全に新しい配置へ一気に移行する必要はない。
一方、分離型を使いこなす条件は、左右ユニットを置くデスク幅と、VIAでのキーマップ調整の手間を受け入れられるかどうかにある。左右ユニットの接続方式は公式ページに明記がなく、設置のしやすさは発売後の製品情報で確認が必要になる。
気になる点
- メーカー価格がオープンで、公式製品ページに金額がない。公式通販の表示価格はスイッチによって38,980円と39,980円で、分離型としては高価格帯に入る
- 英語配列のみの展開で、日本語配列版は確認できなかった
- 約1,325gと重く、携行には向かない
- 静音性や打鍵音の程度を示す数値が公式ページにない
- Amazon.co.jp では記事執筆時点で MD770 PRO の商品ページを確認できなかった
まとめ
MD770 PRO は、前世代 MD770 RGB BT に対して、2.4GHz無線・ホットスワップ・VIA対応・フルCNCアルミ・85時間駆動を加えた、分離型キーボードの上位版と整理できる。代わりに、重量は約1.5倍の約1,325gになり、キー数は83に絞られ、公式通販の表示価格は約3万9千円前後の水準になった。据え置きで使い、キーマップとスイッチをユーザー側で調整する前提なら検討に値する一方、日本語配列が必要な場合や携行したい場合は別の製品が現実的な選択肢になる。購入時は、発売後の販売ページで在庫と価格を確認するのが確実である。
公式情報:プリンストン Barocco Mistel MD770 PRO(英語配列)製品ページ/プリンストン Barocco Mistel MD770 RGB BT(英語配列)製品ページ
編集者:ナナ
※ この記事にはアフィリエイトリンクが含まれています。リンク先での購入により、当サイトが報酬を受け取る場合があります。