REALFORCE RS1は初の左右分割で何を変えたか|79キー・静電容量無接点45g・APC 0.8〜3.0mmを公式仕様で整理した
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東プレのREALFORCEシリーズに、左右が完全に分かれた「RS1 キーボード(型番 S1UJ11)」が加わった。公式サイトでは「プロのための左右分割キーボード」と位置づけられ、静電容量無接点方式・静音スイッチ・キー荷重45gという従来のREALFORCEの要素を、左右ユニット構成に載せた製品である。
本記事では、REALFORCE公式の製品ページに掲載されている仕様だけを根拠に、RS1の構成、APC・マウス機能・ソフトウェア、接続条件、設置寸法を整理する。価格と発売日は公式ページに記載がないため、その扱いも併せて明記する。
RS1(S1UJ11)の基本スペック
| 項目 | 公式仕様 |
|---|---|
| 型番 | S1UJ11 |
| キー配列・キー数 | 日本語配列・かな無し・79キー(左35/右44) |
| スイッチ | 東プレスイッチ(静電容量無接点方式)、静音 |
| キー荷重 | 45g |
| キーストローク | 4.0mm |
| キー構造 | ステップスカルプチャー |
| キーキャップ | PBT・昇華印刷・ダークグレー |
| スイッチ寿命 | 1億回以上 |
| Nキーロールオーバー | フルNキー |
| インターフェイス | USB(有線) |
| 本体サイズ | 左:150.7×137.5×38.2mm/右:174.5×137.5×38.2mm |
| 重量 | 左0.35kg/右0.4kg |
| 対応OS | Windows 11以降/macOS 14.5以降 |
| 生産国 | 日本 |
価格と発売日の掲載状況
2026年10月15日時点で、REALFORCE公式サイトのRS1製品ページ(シリーズページ・S1UJ11ページ)には、価格と発売日の記載がない。同日に確認した公式サイトのニュース一覧の最新は2026年9月14日付で、RS1に関するリリースは掲載されていなかった。東プレ本体のニュースリリース一覧にも、RS1に関する項目は確認できなかった。
そのため、本記事では価格と発売日を断定しない。購入を検討する場合は、公式ストアや取扱店の表示で、在庫と価格を直接確認するのが確実である。
左右分割という構成が意味すること
公式は、RS1の特徴の筆頭に「自由な配置で快適なタイピング」を挙げ、キーボードを左右に分けることで「自然な姿勢でタイピングできる」環境をつくると説明している。左右ユニットの間隔や角度を、肩幅や作業スタイルに合わせて調整できる構成である。
付属品の構成から、配線の仕組みも読み取れる。付属するケーブルは2本で、1.8mのUSBケーブル(Type-A:PC本体 ⇔ Type-C:左ユニット)と、0.8mのUSBケーブル(Type-C:左ユニット ⇔ Type-C:右ユニット)である。PCに接続するのは左ユニットで、右ユニットは左ユニットを経由して接続される。左右の間隔は付属ケーブル(0.8m)の長さが上限になる。ケーブルは着脱式で、キーボードレッグが4個付属する。
接続方式はUSBのみで、公式仕様に無線接続(BluetoothやUSBレシーバー)の記載はない。ケーブルレスで使いたい場合や、複数台のデバイスを切り替えたい場合は、別の製品が選択肢になる。
静電容量無接点・静音・45g
スイッチは東プレ独自の静電容量無接点方式で、公式は、キースイッチの電極が接することなく、一定レベルに近づくと回路が接続されてキー押下を認識する仕組みと説明している。物理的な接点がないため、信頼性と耐久性に優れるとされ、スイッチ寿命は1億回以上と記載されている。
RS1は静音スイッチを採用し、公式は、リモート会議で相手との会話の妨げになる打鍵音を低減するとしている。静音性の程度を示す数値(dB)は、公式ページには掲載がない。キー荷重は45gの1種類で、ラインナップは日本語配列・かな無し・ブラックの1モデルのみである。
全キー同時押しとフルNキーロールオーバーにも対応する。すべてのキーを同時に押しても認識され、押された順序どおりにすべて入力されるという仕様である。
APCとREALFORCE CONNECT ONLINE
RS1は、東プレ独自のAPC(アクチュエーションポイントチェンジャー)機能に対応する。各キースイッチのオン位置を0.8mm〜3.0mmの範囲で調整でき、公式は、高速入力やゲーム用途に適した0.8mm・1.5mmから、誤入力を減らせる3.0mmまで、キーごとに設定できると説明している。
設定には「REALFORCE CONNECT ONLINE」を使う。公式のソフトウェア対応欄には、次の機能が列挙されている。
| 機能 | 内容(公式記載) |
|---|---|
| APC機能 | キーごとにオン位置を0.8〜3.0mmで調整 |
| キーマップ入替 | キー割り当ての入れ替え |
| キーマップ4面切替 | 4面のキーマップを切り替え |
| マウス機能 | キー入力でカーソル移動・クリック |
| ファームウェアアップデート | ファームの更新 |
| オンボードメモリー | 設定をキーボード本体に保存 |
注意点として、公式は「REALFORCE CONNECT ソフトウェアには接続できません」と注記している。従来から提供されているREALFORCE CONNECTソフトウェアではなく、REALFORCE CONNECT ONLINEでの設定が前提になる。動作環境は、導入前に公式のダウンロード・サポートページで確認する必要がある。
磁気式キーボードのラピッドトリガーとは仕組みが異なるが、キーごとにアクチュエーションポイントを変える発想は共通している。磁気式側の整理は磁気式キーボードの選び方にまとめている。
マウス機能
RS1の特徴として、公式はキーボード入力でマウスカーソルの移動やクリックができるマウス機能を挙げている。REALFORCE CONNECT ONLINEで設定することで有効になり、公式は「マウスが使えない時の代替手段としても便利」と説明している。
左右分割の構成では、ホームポジションから手を離さずにポインタ操作を行える設計意図が読み取れる。ただし、キー入力によるカーソル移動が実際のポインティング作業をどこまで置き換えられるかは、公式仕様からは判断できない。トラックボールなど専用デバイスとの使い分けは、トラックボールの選び方で整理している。
設置寸法と重量
左右ユニットの寸法は、左が幅150.7mm、右が幅174.5mm、奥行きはいずれも137.5mm、高さは38.2mmである。左右の幅を単純に合算すると約325mmになり、ユニット間のすき間はこれに含まれない。重量は左右合計で0.75kgで、公式サイトの仕様欄に記載された数値の合計にあたる。
同じ分割型でフルCNCアルミ筐体のMistel MD770 PROは、左右一体時の重量が約1,325gである。RS1の0.75kgはその約57%で、取り回しの面では軽い部類に入る。ただし、MD770 PROは英語83キー・無線対応・ホットスワップ・VIA対応、RS1は日本語79キー・有線のみで、スイッチ交換に関する記載がないという構成で、方式も配列も別物である。
| 項目 | REALFORCE RS1 | Mistel MD770 PRO |
|---|---|---|
| スイッチ方式 | 静電容量無接点(静音) | メカニカル(リニア/サイレントリニア) |
| 配列・キー数 | 日本語・79キー | 英語US・83キー |
| 接続 | 有線USBのみ | 有線/2.4GHz/Bluetooth |
| 重量(左右合計) | 0.75kg | 約1,325g |
| 設定ツール | REALFORCE CONNECT ONLINE | VIA |
エンジニア視点での位置づけ
日本語配列のまま分割キーボードに移れる点が、RS1の最大の特徴である。分割キーボードの多くは英語配列や独自配列を前提にしており、日本語配列に慣れた環境では、配列の切り替えが導入のハードルになりやすい。RS1は日本語79キーで、かな印字なしの構成のため、JIS配列の位置関係を保ったまま左右を離す運用になる。ただし、79キーという数から、テンキーは載らない。数字入力が多い業務では、別途テンキーを用意する前提で検討することになる。
APCとキーマップ4面切替の組み合わせは、用途別の設定を本体に保存する運用に向く。公式はオンボードメモリー機能を挙げており、設定の保存先が本体側にある構成と読み取れる。保存される設定の範囲は、公式ページに詳細がない。
対応OSはWindows 11以降とmacOS 14.5以降で、Linuxは仕様欄に記載がない。業務PCがこの条件に収まるかが、導入の前提になる。キーマップ変更ツールの設計は、HHKBのキーマップ変更ツールを整理した記事と比べると違いが分かる。配列方式ごとの全体像はキーボードの選び方にまとめている。
気になる点
- 公式の製品ページに価格と発売日の記載がなく、購入条件を公式情報だけでは確認できない
- 接続は有線USBのみで、無線接続の記載がない
- 左右ユニットの間隔は0.8mのケーブル長が上限になる(ケーブルは着脱式)
- 日本語配列・かな無し・ブラック・45gの1モデルのみで、配列や荷重の選択肢がない
- 79キーでテンキーがない
- 静音性の程度を示す数値が公式ページにない
- 設定にはREALFORCE CONNECT ONLINEが必要で、従来のREALFORCE CONNECTソフトウェアには接続できない
- Amazon.co.jp では記事執筆時点でRS1の商品ページを確認できなかった
まとめ
REALFORCE RS1は、静電容量無接点・静音・45g・APC(0.8〜3.0mm)という東プレの既存の強みを、79キー日本語配列の左右分割に載せた製品である。左右合計0.75kg、有線USBのみ、設定はREALFORCE CONNECT ONLINEという条件で、日本語配列のまま分割キーボードに移りたい場合の選択肢になる。一方で、価格と発売日は公式ページに記載がなく、無線接続・テンキー・スイッチ違いの選択肢もない。購入前には、公式ストアや取扱店で在庫と価格を確認し、設置するデスクの幅(左右合算約325mm+間隔)に収まるかを確かめるのが確実である。
公式情報:REALFORCE RS1 キーボード シリーズページ/REALFORCE RS1 S1UJ11 製品仕様ページ
編集者:ナナ
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