CPUの選び方|AM5の6コア・Intel LGA1851・X3D 8コア・16コアの4タイプをAMD・Intel公式仕様で整理した
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CPUの商品ページには、「Ryzen 9000」「X3D」「Core Ultra 200S Plus」「LGA1851」といった名称が並ぶ。ただし、型番の前に確認が要るのは、マザーボードのソケット、使うメモリの規格、そして用途に対してコア数とキャッシュのどちらが効くかの3点である。CPUだけを先に決めると、マザーボードごと買い替えになる場合がある。
ここでは、AMDとIntelの公式仕様ページをもとに、AM5の6コア・Intel LGA1851・AM5のX3D 8コア・AM5の16コアの4タイプに分けて選び分けを整理する。ソケットに合わせたマザーボードはマザーボードの選び方、メモリはDDR5メモリの選び方、冷却はCPUクーラーの選び方で扱っている。
CPUで差が出る5つの軸
| 軸 | 何が違うか | 影響する場面 |
|---|---|---|
| ソケット | AMDはAM5、IntelはFCLGA1851 | マザーボードを含めた買い替えが必要か |
| コア構成 | 6コア、8コア、16コア。IntelはPコアとEコアの合計 | 動画書き出しやコンパイルなど並列処理の速さ |
| L3キャッシュ | 32MBと96MB、128MB | キャッシュ容量が効くゲームでの余裕 |
| 消費電力の表記 | AMDはDefault TDP、IntelはProcessor Base PowerとMaximum Turbo Power | 電源とCPUクーラーに求める余裕 |
| メモリ | AM5はDDR5、IntelもDDR5(最大7,200 MT/s) | メモリ規格の確認と、DDR5前提の構成 |
AMDの「TDP」とIntelの「Processor Base Power」「Maximum Turbo Power」は名称が異なり、数字を並べても同じ条件の比較にはならない。Intelの公式ページはベース時とターボ時の2つの値を載せており、AMDの公式ページは1つの値を載せている。
4タイプの比較表
| タイプ | 代表機種 | コア/スレッド | 最大クロック | L3キャッシュ | 電力(公式表記) | ソケット |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ①AM5の6コア | Ryzen 5 9600X | 6コア/12スレッド | 5.4GHz | 32MB | Default TDP 65W | AM5 |
| ②Intel LGA1851 | Core Ultra 5 250K Plus/Core Ultra 7 270K Plus | 18コア(6P+12E)/18スレッド/24コア(8P+16E)/24スレッド | 5.3GHz/5.5GHz | 30MB/36MB | ベース125W・ターボ159W/ベース125W・ターボ250W | FCLGA1851 |
| ③AM5のX3D 8コア | Ryzen 7 9800X3D/Ryzen 7 9850X3D | 8コア/16スレッド | 5.2GHz/5.6GHz | 96MB | Default TDP 120W | AM5 |
| ④AM5の16コア | Ryzen 9 9950X3D | 16コア/32スレッド | 5.7GHz | 128MB | Default TDP 170W | AM5 |
仕様はAMD公式サイトとIntel公式サイトの記載(2026年10月24日確認)による。Intelの「最大クロック」は、公式ページのMax Turbo Frequencyである。
①AM5の6コア|Ryzen 5 9600X
必要なコア数が6コアで足りる構成を、AM5で組む場合のタイプである。
Ryzen 5 9600Xは、6コア/12スレッド、最大5.4GHz、ベース3.9GHz、L3キャッシュ32MB、Default TDP 65W、ソケットAM5。発売日はAMD公式ページで2024年8月8日と記載されている。Default TDPが65Wと、このあと並べる3タイプの中で最も低いため、CPUクーラーや電源に求める余裕も小さく済む。
AM5はソケットが共通のため、後からX3Dモデルや16コアへ載せ替える選択肢が残る。コア数の増設を見込むなら、最初からAM5で組む理由になる。
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②Intel LGA1851|Core Ultra 5 250K Plus/Core Ultra 7 270K Plus
Intelのプラットフォームで組む場合や、並列処理のスレッド数を重視する場合のタイプである。
Intelは2026年3月11日にCore Ultra 200S Plusシリーズを発表し、小売は3月26日から。2モデルの公式仕様は以下のとおり。
| 項目 | Core Ultra 5 250K Plus | Core Ultra 7 270K Plus |
|---|---|---|
| コア構成 | 6P+12E(18コア) | 8P+16E(24コア) |
| スレッド数 | 18 | 24 |
| 最大ターボ周波数 | 5.3GHz | 5.5GHz |
| キャッシュ | 30MB | 36MB |
| Processor Base Power | 125W | 125W |
| Maximum Turbo Power | 159W | 250W |
| メモリ | DDR5 最大7,200 MT/s | DDR5 最大7,200 MT/s |
| 推奨価格(米ドル、Intel公式) | 219〜229ドル | 339〜349ドル |
Intelのニュースルームでは、従来のCore Ultra 200Sよりダイ間周波数が最大900MHz高く、DDR5は6,400 MT/sから7,200 MT/sへ対応が上がったと説明されている。800シリーズのチップセットを搭載したマザーボードと組み合わせる構成で、ソケットはFCLGA1851である。
2モデルの差で目立つのはMaximum Turbo Powerで、159Wと250Wの91W差である。270K Plusはコア数とキャッシュが多い一方で、ターボ時の電力も大きく、電源とCPUクーラーに求める余裕が変わる。価格は米ドルの推奨価格で、日本国内の販売価格は販売店ごとに異なる。
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③AM5のX3D 8コア|Ryzen 7 9800X3D/Ryzen 7 9850X3D
L3キャッシュの大きさを活かしたい、ゲーム中心の構成をAM5で組む場合のタイプである。
| 項目 | Ryzen 7 9800X3D | Ryzen 7 9850X3D |
|---|---|---|
| コア/スレッド | 8/16 | 8/16 |
| 最大ブースト | 5.2GHz | 5.6GHz |
| ベースクロック | 4.7GHz | 4.7GHz |
| L3キャッシュ | 96MB | 96MB |
| Default TDP | 120W | 120W |
| 発売日(AMD公式) | 2024年11月7日 | 2026年1月29日 |
2モデルは、コア数、ベースクロック、L3キャッシュ、Default TDPが同じで、差は最大ブーストクロックの5.2GHzと5.6GHzの0.4GHzと、発売時期である。①のRyzen 5 9600XとL3キャッシュを比べると、32MBに対して96MBと3倍になる。Default TDPも65Wから120Wに上がるため、CPUクーラーと電源は①より余裕を見る必要がある。
AMD公式ページでは、9800X3DのメモリはDDR5(UDIMM)、2チャンネル、最大256GBで、DDR5-5600(2枚1R/2R構成)に対応すると記載されている。4枚構成ではDDR5-3600の記載になるため、枚数による速度の違いは購入前に確認したい。
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④AM5の16コア|Ryzen 9 9950X3D
ゲームと並列処理の両方に余裕を持たせたい場合のタイプである。
Ryzen 9 9950X3Dは、16コア/32スレッド、最大5.7GHz、ベース4.3GHz、L3キャッシュ128MB、Default TDP 170W、ソケットAM5。発売日はAMD公式ページで2025年3月12日と記載されている。
③の9800X3Dと比べると、コア数は2倍の16コア、L3キャッシュは96MBから128MBへ、Default TDPは120Wから170Wへ増える。コア数が増えるぶん電力も50W増えるため、冷却はCPUクーラーの選び方で扱った大型の空冷や360mm簡易水冷が候補になる。電源は電源ユニットの選び方、組み合わせるグラフィックボードはグラフィックボードの選び方で整理している。
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選ぶ順番のチェックリスト
- ソケットを決める:AM5かFCLGA1851かで、マザーボードとCPUクーラーの対応が変わる
- メモリ規格を確認する:AM5もIntel 200S PlusもDDR5が前提。DDR4のメモリは流用できない
- 用途からコア数かキャッシュかを決める:並列処理中心なら①②④、ゲーム中心でキャッシュを重視するなら③
- 電力の表記を揃えて見る:AMDはDefault TDP、IntelはBase PowerとMaximum Turbo Powerで、電源とクーラーの余裕を見る
- ケースと冷却の寸法を確認する:高電力のモデルほど、PCケースの内部寸法とラジエーターの取り付け位置が条件になる
気になる点
- 本記事に掲載した価格は、Intelの推奨価格(米ドル)のみ:AMDの公式ページには希望価格の記載がなく、日本国内の販売価格は販売店と時期で変わる。購入時はAmazonなどの表示価格を確認する必要がある
- ベンチマーク性能は本記事の範囲外:ゲームや動画書き出しの実測値は、公式仕様ページには載っていない。コア数やクロックの順序と、実際の処理速度の順序は一致しない場合がある
- AMDとIntelの電力値は同条件の比較ではない:Default TDP、Processor Base Power、Maximum Turbo Powerは測定の考え方が異なる
- 掲載は5モデルのみ:Ryzen 7 9700XやRyzen 9 9950X、Ryzen 9 9900X、Core Ultra 9系など、他のモデルにも同じ形状の製品がある。比較する場合は、各社の公式ページで仕様を確認する
まとめ
CPUは、「ソケット」「メモリ規格」「用途に対するコア数とキャッシュ」の順に条件を決めると候補が絞れる。
- コア数は6コアで足り、電力を抑えたい(AM5) → タイプ①:Ryzen 5 9600X
- Intelのプラットフォームで、スレッド数と最大7,200 MT/sのDDR5を重視する → タイプ②:Core Ultra 5 250K Plus/7 270K Plus
- ゲーム中心で、L3キャッシュ96MBを活かしたい → タイプ③:Ryzen 7 9800X3D/9850X3D
- ゲームと並列処理の両方に余裕がほしい → タイプ④:Ryzen 9 9950X3D
公式情報
編集者:ナナ
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