デスクライトの選び方|モニター掛け式・背面光つき・クランプ式・据え置き型の4タイプで整理した
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デスクライトは「何ルーメンか」「何ワットか」で比較されやすい。だがPC作業を前提にすると、先に効いてくるのは光の強さではなく、どこに固定するか(設置方式)と、その光が画面に落ちるかどうか(配光)である。この2つを外すと、明るくても画面が白く反射して読みにくい、あるいは天板が狭くなって置き場所がない、という結果になりやすい。
現行のデスク照明は、モニターの上端に載せる掛け式、天板をはさむクランプ式、天板に置く据え置き型の3系統に分かれ、掛け式はさらに前面のみのモデルと背面光を持つモデルに分かれる。ここでは各系統の代表機種を公称スペックで並べ、選び分けの基準を整理する。
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買う前に確認する4つの条件
| 条件 | 確認する内容 | つまずきやすい点 |
|---|---|---|
| 設置方式 | モニター上端/天板クランプ/据え置き | クランプ式は天板の厚みと背面の空きが必要 |
| 配光 | 画面側に光を落とさない設計か | 一般的な電気スタンドを流用すると画面が反射する |
| 演色性 | Ra(平均演色評価数)とR9(赤の再現) | Raだけ高くてもR9が低いと肌や木材の色が沈む |
| 電源 | USB給電かAC電源か | USB給電型は供給元ポートのW数が足りるか要確認 |
照度の公称値を読むときは、必ず測定高さとセットで見る。同じ「中心照度」でも高さ45cmと50cmでは条件が違い、そのままでは比較できない。以下の各タイプでは、公式が示す測定高さを併記している。
タイプ1:モニター掛け式・前面のみ(BenQ ScreenBar)
モニターの上端に載せるだけで設置が終わる、最も省スペースな方式である。BenQ ScreenBar の公称値は以下のとおり。
- 光源:デュアルカラーLED、演色性 Ra≥95
- 中心照度:930ルクス(高さ45cm)
- 照射範囲:60cm×30cm(500ルクス時)
- 電源:USB 5V/最大1A、消費電力 最大5W
- 本体:45×9×9.2cm、0.53kg、USBケーブル150cm
- 対応モニター厚:1〜3cm
注目したいのは消費電力が最大5Wという点で、モニター側のUSB-Aポート(5V/0.5〜0.9A)からでも動く範囲に収まっている。PCやモニターのポート1つで完結し、天板を1cmも消費しない。一方で対応モニター厚が1〜3cmと幅が狭く、ベゼルの薄い機種や曲面パネルでは載らない場合がある。
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タイプ2:モニター掛け式・背面光つき(BenQ ScreenBar Halo 2)
前面の作業照明に加えて、モニター背面側へ光を回すモデルである。画面と背後の壁との輝度差を下げる、いわゆるバイアスライティングの役割を持つ。
- 光源:デュアルカラーLED、演色性 Ra≥95(フロント)、忠実度 Rf≥96
- 中心照度:1000ルクス超(高さ50cm)
- 照射範囲:85cm×50cm(500ルクス時)
- 電源:USB Type-C 5V/最大3A、消費電力 最大15W
- 本体:50×14.3×10.9cm、0.8kg、コントローラーはリチウム電池内蔵でType-C充電
- 対応モニター厚:平面/曲面ともに0.43〜6cm
タイプ1との実質的な差は、照射範囲が60×30cmから85×50cmへ広がる点、対応モニター厚の幅が大きく広がり曲面パネルに正式対応する点、そして背面光の有無である。ただし電源要件は5V/3A・最大15Wに上がるため、モニター背面のUSB-Aポートから取ると供給不足になる可能性がある。給電元はUSB-Cハブやドッキングステーションのセルフパワーポート、あるいはUSB PD対応の充電器を想定しておくのが確実である。
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タイプ3:クランプ式アームライト(山田照明 Z-10R)
天板をはさんで固定し、アームで光源を任意の位置へ動かす方式である。モニターの上ではなく、手元そのものを照らしたい場合の選択肢になる。
- 光源:Ra90以上、R9は50以上の高演色LED
- 照度:JIS規格のAA形に対応する照度を確保
- シェード厚:12mm
- アーム:平行移動する薄型アーム、関節のテンションを六角レンチで調整可能
- 電源:AC電源
演色性の表記でR9(赤の再現性)まで公称している点が、このクラスの特徴である。Raは8色の平均値であり、Raが高くてもR9が低い光源では、肌の色や木材、赤系の資料が沈んで見える。色の判断が絡む作業では、Ra単体よりR9込みで見たほうが実態に近い。
長期運用の面では、関節のテンションを工具で調整できる構造が効く。アーム式のライトは経年で保持力が落ちてお辞儀するのが定番の劣化だが、調整機構があれば締め直しで対処できる。設置には天板の厚みと、クランプを通す背面の空きが必要になる。
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タイプ4:据え置き型(BALMUDA The Light)
天板に直接置くスタンド型で、離れた位置から広い範囲を照らす配光を採る。手元に影が落ちにくいことを設計の主眼に置いた製品である。
- 光源:LED 3灯、色温度5700K、演色性 Ra97以上
- 器具光束:430lm、光源寿命40,000時間
- 調光:6段階(15〜100%)
- 電源:AC100V(ACアダプター)、消費電力 全灯時最大14W/消灯時0.1W以下
- 本体:幅191×奥行264×高さ463mm、約3.2kg
- 型番:L03A-BK/L03A-WH/L03A-BG
Ra97以上は今回の4タイプで最も高い。色温度は5700Kの固定で、調光は6段階のみという割り切った仕様である。夜間に暖色へ落として使いたい用途には向かないが、色温度が動かないぶん、日によって見え方が変わらないという特性でもある。
設置面では本体が約3.2kg、設置面積が幅191×奥行264mmある。奥行き60cm前後のデスクにモニターと同居させると、手前の作業スペースが実質的に削られる点は見込んでおきたい。
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4タイプの比較
| 項目 | ScreenBar | ScreenBar Halo 2 | Z-10R | The Light |
|---|---|---|---|---|
| 設置方式 | モニター上端 | モニター上端 | 天板クランプ | 据え置き |
| 演色性 | Ra≥95 | Ra≥95(フロント) | Ra90以上・R9 50以上 | Ra97以上 |
| 明るさの公称 | 930lx(高さ45cm) | 1000lx超(高さ50cm) | JIS AA形 | 430lm(器具光束) |
| 照射範囲 | 60×30cm | 85×50cm | アームで可変 | 広配光・影が出にくい |
| 色温度 | 調整可 | 調整可 | 調整可 | 5700K固定 |
| 電源 | USB 5V/1A・最大5W | USB-C 5V/3A・最大15W | AC電源 | AC100V・最大14W |
| 重量 | 0.53kg | 0.8kg | ー | 約3.2kg |
| 天板の占有 | なし | なし | クランプ部のみ | 幅191×奥行264mm |
明るさの単位が機種によって異なる点には注意が要る。掛け式2機種は「特定の高さでの中心照度(ルクス)」、The Light は「器具全体から出る光束(ルーメン)」で公称しており、数値をそのまま横並びにはできない。同一方式どうし(ScreenBar と Halo 2)でのみ、照度と照射範囲の直接比較が成立する。
環境構築の視点で見るとどう効くか
給電経路の設計が、掛け式では最初の分岐点になる。ScreenBar は最大5Wなのでモニターのハブ機能でまかなえるが、Halo 2 は最大15Wを見込む必要がある。モニター内蔵ハブのUSB-Aは5V/0.9A=4.5W程度が一般的で、そこから取ると要件を満たさない。ドックの高出力ポートかPD充電器へ寄せるのが現実的な解になる。
昇降デスクと組み合わせる場合は、クランプ式と据え置き型が天板ごと上下する点を考慮する。AC電源のケーブル長と、昇降時にケーブルが引っ張られない取り回しを先に決めておきたい。掛け式はモニターと一緒に動くため、この問題が起きにくい。
モニターアームを併用している場合、掛け式ライトの重量はアームの耐荷重に加算される。ScreenBar で0.53kg、Halo 2 で0.8kgなので、耐荷重の上限ぎりぎりでモニターを載せている構成では再計算が必要になる。
なお、Web会議や撮影で顔を明るく写すことが目的なら、デスクライトではなく撮影・配信用ライトの領域になる。デスクライトの配光は手元を照らすために下向きへ最適化されており、正面から人物を照らす用途とは設計が異なる。
気になる点
演色性の表記は各社で粒度が揃っていない。Ra≥95、Ra90以上・R9 50以上、Ra97以上と、比較対象の指標そのものが少しずつ違う。厳密に横並びにするには第三者測定が要るため、カタログ値は「同じ指標で書かれている範囲でのみ比較する」という読み方が安全である。
掛け式の対応モニター厚も見落とされやすい。ScreenBar は1〜3cm、Halo 2 は0.43〜6cmと、下限・上限ともに差がある。手持ちのモニターの上端フレーム厚を実測してから選ばないと、載らない、あるいは不安定になる。
据え置き型は光の質と引き換えに天板を消費する。デスクの奥行きが浅い環境では、モニターの位置を手前に出さざるを得なくなり、視距離の面で不利になる場合がある。
まとめ
- 天板を占有せず、USB1本で完結させたい → モニター掛け式・前面のみ(ScreenBar)
- 暗い部屋で長時間作業し、画面と背景の輝度差を抑えたい → 背面光つき(ScreenBar Halo 2)
- モニターの前ではなく手元そのものを照らしたい、色の再現をR9まで見たい → クランプ式(Z-10R)
- 影の出にくさと色の正確さを最優先し、天板に余裕がある → 据え置き型(The Light)
設置方式が決まれば候補は自動的に絞られる。逆に明るさの数値から入ると、測定条件の違う値を並べて迷うことになりやすい。設置方式、配光、演色性、電源の順に条件を潰していくのが、遠回りに見えて手戻りが少ない。
編集者:ナナ
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