オーディオインターフェースの選び方|1入力・2入力・配信ミキサー一体・4入力MIDI付きの4タイプをFocusrite・Steinberg・Yamaha公式仕様で整理した
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オーディオインターフェースの比較では、24bit/192kHzやダイナミックレンジ116dBといった数字が並ぶ。ただし主要モデルの変換性能は近い水準にあり、選択を分けるのは「同時に何本の音源を入力するか」「PCから返す音をどう扱うか」という入出力の設計になる。以下の4タイプは、この入出力の構成で分かれている。本記事の仕様はメーカー公式サイトの公開情報に基づく。
最初に決まるのは「同時入力数」と「戻しの経路」
分岐の1つ目は、同時に録る音源の数になる。マイク1本だけなら1入力で足りる。マイクとギター、あるいはマイク2本を同時に録るなら2入力以上が必要になる。入力数は後から増やせないため、買い替えが発生する主因はここになる。
分岐の2つ目は、PCから返す音の経路になる。ゲーム音やBGMを配信に混ぜるときは、PCの再生音を入力側に戻す「ループバック」機能の有無が効く。ループバックがない機種では、仮想オーディオ機器などソフト側の手当てが別途必要になる。
用語も整理しておく。マイク入力(XLR)はマイクを接続する端子で、コンデンサーマイクにはファンタム電源(+48V)が要る。Hi-Z入力はエレキギターやベースを直接つなぐための高入力インピーダンス端子で、マイク入力とは別の回路になる。ゲインレンジは、入力音量をどこまで持ち上げられるかの幅で、静かな声のダイナミックマイクを使うほど効いてくる。
4タイプの位置づけ
| タイプ | 代表機種 | アナログ入力 | MIDI | 特徴 |
|---|---|---|---|---|
| 1入力型 | Scarlett Solo 4th Gen | マイク1/Hi-Z1/ライン1 | 記載なし | 最小構成、ゲイン57dB |
| 2入力型 | Scarlett 2i2 4th Gen/UR22C | マイク2系統(UR22CはMIC/LINE 2系統) | UR22Cは入出力あり | 2人収録・マイク+楽器 |
| 配信ミキサー一体型 | Yamaha AG03MK2 | マイク/ライン1+ステレオ1+スマホ1 | 記載なし | フェーダー操作・DSP内蔵 |
| 4入力型 | Scarlett 4i4 4th Gen | マイク2/Hi-Z2/ライン4(合計) | MIDI入出力あり | 4出力・ヘッドホンミックス |
上から下へ、入力数と接続できる機材の幅が広がっていく。一方で3つ目のミキサー一体型は、入力数ではなく「録音前にPC側でなく本体で音を混ぜる」という別の軸に立っている。
タイプ1:1入力型 — マイク1本の声録りに絞る
Scarlett Solo 4th Genは、マイクプリアンプ1、Hi-Z楽器入力1、ライン入力1の構成で、出力はバランスライン2、ヘッドホン1になる。ゲインレンジは57dB、変換は24bit/最大192kHzで、USB Type-C(USB 2.0)のバスパワー動作(900mA)に対応する。「Air」モードにはPresenceとHarmonic Driveの2種類があり、ループバックも備える。
ナレーション、ゲーム実況、ボーカルの宅録のように、同時に入力するのが1人1本で完結する用途であれば、入力数に余りが出ない構成になる。マイクとギターを交互に使う運用も、Hi-Zとマイク入力が別端子であることから成立する。
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タイプ2:2入力型 — 2本同時に録る標準構成
Scarlett 2i2 4th Genは、マイクプリアンプ2、楽器入力2、ライン入力2を持ち、出力はバランスライン2とヘッドホン1になる。ゲインレンジはマイク69dB、楽器62dBで、ダイナミックレンジはマイク入力116dB(A特性)、ライン入力115.5dBとされている。24bit/192kHz、USB Type-C(USB 2.0)、Air(2モード)、ループバックは1入力型と共通で、Solo側の57dBに比べてゲインに余裕がある。
Steinberg UR22Cは、同じ2入力でも設計の方向が異なる。アナログ入力はMIC/LINE 2系統(2系統目はHi-Zに切替可)、出力はMAIN OUTPUT L/R、ヘッドホン出力1で、MIDI入力・出力を備える。最大32bit/192kHzで処理し、USB 3.0に対応する。DSPは自社開発の「SSP3」を搭載し、ループバックも使える。ファンタム電源(+48V)はXLR端子のみに供給される。寸法は159×47×159mm、質量は1.0kgになる。
2機種の使い分けは、MIDI機器の接続有無が1つ目の基準になる。キーボードやシンセを接続するなら、MIDI入出力のあるUR22Cが成立する。マイクのゲイン余裕を優先するなら、69dBのScarlett 2i2が候補に入る。なお、UR22Cのマイク入力ダイナミックレンジは102dB(A特性)と公表されているが、測定条件がメーカーごとに異なる可能性があるため、数値の大小だけで優劣は判断できない。
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タイプ3:配信ミキサー一体型 — 本体で音を混ぜてからPCへ送る
Yamaha AG03MK2は、オーディオインターフェースとミキサーを一体にした機種になる。入力はMIC/LINE(コンボジャック、+48V対応)、3.5mmのヘッドセットマイク端子、ステレオLINE、スマートフォン用の4極ミニ、USBで構成される。ただしMIC/LINEのCH1とヘッドセットマイクは同時に使えない。USBは2入力2出力のUSB Audio Class 2.0準拠で、端子はType-C、サンプリングは24bit/最大192kHzになる。
この型の特徴は、DSPがコンプレッサー/EQ、リバーブ、アンプシミュレーターを内蔵している点にある。設定は専用の「AG Controller」で行う。STREAMING OUTの出力にはDRY CH 1-2G、INPUT MIX、LOOPBACKから選択できる。つまり、ゲーム音をPCから返しつつ、マイクの声だけを本体側で整えて配信ソフトへ送る、という経路が本体内で完結する。電源はUSB Type-Cの5V・900mAで、最大消費電力は4.5Wになる。寸法は126×63×201mm、質量は0.8kgで、デスクに据えるときは奥行き201mmを確保する必要がある。
録音後に編集ソフトで処理する前提の用途より、リアルタイムに音を混ぜる配信や通話の用途で、設計意図が合致する。
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タイプ4:4入力型 — 機材を増やしてもつなぎ直さない
Scarlett 4i4 4th Genは、マイクプリアンプ2(リモート操作対応)、楽器入力2、ライン入力は合計4を持ち、出力はバランスライン4とヘッドホン1になる。MIDI入出力を備え、ループバックを含めた同時入出力は6×6になる。変換は24bit/192kHzで、ADCのダイナミックレンジは120dB、DACは130dB(A特性)とされている。USB Type-C(USB 2.0)で、バスパワーは1.5A、任意で外部電源(7.5W)も使える。
2入力型との差は、ライン入力の追加と出力数の増加、そしてMIDI入出力になる。シンセサイザーやドラムマシンをライン入力に常時つなぎ、スピーカーを2系統へ振り分け、ヘッドホンミックスを専用ソフト「Focusrite Control 2」で作る、といった構成が1台に収まる。機材が3台を超えると、入力の差し替え作業が減る分だけ運用の手間が下がる。
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ダイナミックレンジとゲインの読み方
カタログのダイナミックレンジは、機器が扱える最大音と自己ノイズの比を表す。Scarlett系はマイク入力116dB、UR22Cはマイク入力102dBと公表されているが、前述のとおり測定条件がメーカーごとに異なる可能性があり、数値の差をそのまま音質差とは読めない。
優先度が上がるのはゲインレンジで、出力レベルの低いダイナミックマイクを使う場合は、ゲインが足りないと音量を稼ぐためにノイズも一緒に持ち上がる。マイクの種類(コンデンサーかダイナミックか)は、マイクの選び方の記事に整理している。マイクの選び方で指向性と素子の違いを確認し、必要なゲインを見積もる順序になる。
エンジニア視点で見るとどう使えるか
接続面では、USB 2.0とUSB 3.0の差より、バスパワーの供給量と端子の取り合いが運用に効く。Scarlett Solo/2i2/4i4はUSB Type-C(USB 2.0)で、電力はSoloが900mA、4i4が1.5Aとされている。ノートPCのUSB-Cポートが少ない環境では、ハブ経由の給電不足が認識トラブルの原因になりうるため、直挿しを前提に設計しておくのが安全になる。
環境構築では、ループバックの有無が配信構成の複雑さを左右する。ループバック内蔵機であれば、仮想オーディオ機器を追加せずに「PCの再生音+マイク」を1本のストリームに混ぜられる。配信用の映像側はキャプチャーボードの選び方、モニター用の音はヘッドホンの選び方やPCスピーカーの選び方で整理しており、入口(インターフェース)と出口の両方を揃える視点が要る。
気になる点
- 本記事は公式仕様に基づく整理であり、機種ごとの音質の差や操作感の評価は含まない
- ダイナミックレンジはメーカー間で測定条件が異なる可能性があり、数値を横並びで比較できない
- AG03MK2はCH1とヘッドセットマイクが同時に使えず、公式仕様にMIDI入出力の記載もない
- UR22Cのファンタム電源(+48V)はXLR端子のみで、ライン/TRS側には供給されない
- 価格と在庫は変動するため、購入前に各販売ページの最新表示を確認する必要がある
まとめ
オーディオインターフェースは、マイク1本の声録りなら1入力型、マイクと楽器の2本同時やMIDI接続なら2入力型、配信で本体側に音を混ぜたいならミキサー一体型、機材が増える前提なら4入力型、という整理になる。変換性能の数字を比べる前に、同時入力数・ループバック・MIDIの3点を確定させると、候補は自然に1タイプへ絞られる。マイク、モニター環境、配信映像まで含めた構成全体は、関連する各ガイドから順に確認できる。
編集者:ナナ
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